産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
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最新号
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Issue Information
原著
  • 原 邦夫
    原稿種別: 原著
    2021 年 63 巻 4 号 p. 103-116
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/07/25
    [早期公開] 公開日: 2020/09/26
    ジャーナル フリー HTML

    目的:日本においては様々な産業衛生技術専門職の国家資格があり統一的な産業衛生技術者のコンピテンシー領域・項目がないことから,本研究の目的は,日本の統一的な産業衛生技術専門職のコンピテンシー領域・項目をまとめることである.対象と方法:文献調査,KJ法調査,デルファイ法調査,および質問紙調査を行った.主に米国,英国,日本のホームページ,報告書およびGoogle schoolerで検索した文献を取り上げ,領域,役割,知識およびスキルを比較し,約150項目に再整理した.つぎに,それに基づいて,5名の産業衛生技術専門職でKJ法,13名の産業衛生技術専門職でデルファイ法,およびある大学の産業衛生技術専門職のOB会の53名の質問紙調査の回答により,議論・評価し,産業衛生技術専門職のコンピテンシーの領域・項目を選出した.結果:文献調査では147項目,KJ法調査では10領域・133項目,デルファイ法調査では6領域・63項目,最後に質問紙調査で5領域・51項目が特定された.(1)課題・発展性の発見と方針決定力,(2)課題解決力と発展的展開力,(3)コミュニケーション力と緊急時リカバリー力,(4)組織の能力を向上させる力,(5)現場の教育支援力,としてまとめられた.考察および結論:質問紙調査の53名の回答者は主に20代および30代であったが,質問紙調査の63項目の評価について,53名の質問紙調査回答者の評価と,ベテラン中心のデルファイ法調査の13名参加者の評価とは,正の相関関係があった.これらの結果は,本研究で得られた5領域・51項目からなる統一した産業衛生技術専門職のコンピテンシーは,日本の代表的で統一的なコンピテンシー領域・項目のセットであることを示唆している.

  • 井上 由貴子, 中田 光紀, 栗岡 住子, 永田 智久, 森 晃爾
    原稿種別: 原著
    2021 年 63 巻 4 号 p. 117-128
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/07/25
    [早期公開] 公開日: 2020/10/22
    ジャーナル フリー HTML

    目的:主観的健康感は健康状態を自己評価する指標であり,免疫機能と関連することが報告されているが,種類の異なる3つの健康感指標(全般的,過去比較および他者比較)と炎症マーカーの関連ならびに年齢別のそれらの相対的な関連の強さについてはまだ十分に理解できていない.本研究は介護施設従業員を対象に,異なる健康感指標と炎症マーカーとの関連を検討した.対象と方法:介護施設で働く21歳~68歳(平均40.9歳)の職員120名(女性90名,男性30名)を対象に,健康診断に併せて血中炎症マーカー(インターフェロン-γ,インターロイキン[IL]-4,IL-6,腫瘍壊死因子[Tumor Necrosis Factor; TNF]-α,白血球数)を測定すると同時に質問紙により主観的健康感を尋ねた.重回帰分析にて共変量を調整し,40歳未満および40歳以上で層別化を行ったうえで,炎症マーカーと主観的健康感の関連を解析した.結果:全ての潜在的共変量を調整したモデルにおいて,40歳以上の高齢層では,全般的健康感の悪化はIL-6の増加と有意に関連し,40歳未満の若年層では他者比較健康感の悪化はTNF-αの増加と有意に関連した.他者比較健康感の悪化は参加者全体においてもIL-6の増加と有意に関連した.過去比較健康感は炎症マーカーと明確な関連を示さなかった.考察と結論:本研究の結果から,主観的健康感指標の種類が異なれば炎症マーカーとの関連も異なること,特にこれらの関連は,若年層と高齢層に分けて行うことでより明確になることが明らかとなった.これは,健康感指標の相違のみならず年齢も主観的健康感と炎症マーカーの関連を修飾することを示唆する.

短報
調査報告
  • 亀山 純子, 橋爪 祐美, 柳 久子
    原稿種別: 調査報告
    2021 年 63 巻 4 号 p. 133-142
    発行日: 2021/07/20
    公開日: 2021/07/25
    [早期公開] 公開日: 2020/11/14
    ジャーナル フリー HTML

    目的:本研究は,外国人介護福祉士候補者(以下,候補者)の国家資格取得に向けた就労継続と教育支援上のニーズや課題を明らかにすることを目的とした.対象と方法:国家試験を受験し合格した12人を対象に半構造化面接を実施し,グラウンデッド・セオリー・アプローチの継続的比較分析を援用した.分析結果の妥当性は,member checkとpeer debriefingで検討した.結果:「国家資格の取得過程にある壁」を中核カテゴリに,外国人介護職者と受入れ施設に関わる要因として4つのカテゴリが,受入れ施設と施設での教育支援に関わる要因として6つのカテゴリが抽出された.考察と結論:合格者から見る就労継続と教育支援上のニーズや課題は,研修面と実務面の両方にまたがって多様なこと,外国人である候補者の権利保障に関わることが考えられた.国家資格取得のための教育支援として,就労と学習両立に関わる多様なニーズへの対応を要し,現行の育成プログラムには限界があることから,改善は喫緊の課題である.

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