子宮頸癌患者104例にテレコバルト術前照射を行ない, 摘出リンパ節について, 組織学的, 臨床的検索を行なつた.
リンパ節転移巣の組織学的変化:2000R~4000R照射例では癌細胞の核濃縮, 膨化, 核膜および核質の溶解, 細胞質の空胞変性, 癌細胞の筋壊が軽度または中等度に, 5000R照射例ではほとんどの癌細胞が崩壊し, 間質結合綴が増殖して転移巣の修復がみられる.
リンパ節転移頻度1照射線量の増加に従つて減少する傾向がみられ, 特に5000R照射例の転移率はII期癌9.1%, III期癌25.0%で, 非照射例のII期癌21.6%, III期癌60.0%と比較して著減している. 転移率の低下は微小転移巣が破壊, 消失する結果であると考えられ, この仮説は推計学的に有意である.
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