産婦人科の進歩
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28 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 尾崎 公巳, 倉智 敬一
    1976 年 28 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
  • 島本 雅典
    1976 年 28 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    本研究は性器外組織ことに肝・腎組織の酵素活性の性差と性ホルモンによる制御を検討するため, L-ornithine aminotransferase(E. C. 2.6. 1.13. )およびglycine amidino-transferase(E. C. 2.1. 4.1. )を対象として行なったものである, これらの酵素はいずれも腎組織において活性が高く, しかも腎においてのみ性ホルモンの投与によって活性が変動した. すなわち, 腎のornithine aminotransferase活性は雌1生に高く, estrogenの投与により活性は上昇し, testosteroneによって逆に低下した. これに反してglycine amidinotransferase活性は雄性に高く, testosteroneによって上昇を示し, estrogenによって低下した.
    これらの性ホルモンの影響は, ホルモン投与後かなりの時間を経て発現するとともに, ホルモン投与中止後も制御効果は数日間持続した. しかしin vitroの反応系にホルモンを直接添加しても, 酵素活性の変動は全く認められなかった.
    また, 雌性ラットの性中枢を男性型に変えたandrogen sterilized ratにおいては, estrogenの持続分泌により正常雌性ラットより高い腎ornithine aminotransferaseの活性上昇を認めた.
    以上の成績から, 腎組織においては, 特定の酵素活性に雌雄差が存在し, それらは個体が産生分泌する性ホルモンによって制御されている可能性が強いと考えられる.
  • 丹羽 隼人
    1976 年 28 巻 1 号 p. 15-36
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    妊娠各時期の正常妊娠絨毛組織, 胞状奇胎組織, 破壊性奇胎組織, 絨毛上皮腫組織を実験材料とし, DNAに関してはStoell氏Feulgen反応, RNAに関してはTaft氏ピロニンメチルグリーン染色を採用し, 顕微測光法によるDNA相対含量ならびにRNA単位体積吸光度を測定した. 正常妊娠絨毛部, 細胞柱のsyncytiotrophoblastならびにcytotro-phoblast核断面当りのDNA量はほぼ一定しており遂月的変化は認められない. 破壊性奇胎の筋層内侵入部ならびに絨毛上皮腫においては両細胞とも核断面当りのDNAについては, その量の増加は勿論のこと分布巾も著しく増大して2倍体値より10倍体値にも及び, 細胞質RNA量についても例外はあるが特異的に増加す.
  • 駒谷美 津男
    1976 年 28 巻 1 号 p. 37-52
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    分娩時におけるfetal distressの発症が, 児の生命ならびに予後に関し重大な影響を与えることより, fetal distressの予知ならびに離脱に対する策を確立することは, 産科学の重要な課題である. そこで子宮収縮が子宮胎盤循環やガス交換, さらに胎児にいかなる影響を与えるかを検討することから, fetal distress発症に関する病態生理を解析し, これをもとにfetal distressの予知とその改善策を確立すべく本研究を行った. その結果fetal distressの発症は子宮胎盤循環の低下に起因し, その発現に関する子宮収縮の影響を観察することから, 胎児胎盤系予備能の意義を呈示した. またfetal distressよりの離脱に関し, β-agonistやHalothane麻酔の有効性を明らかとした.
  • 春田 道男, 阪根 修, 林 永子, 大塚 俊宏, 新海 敏雄, 秋岡 収, 小畠 昭三, 津森 和子, 古田 博昭, 林 勝, 板野 龍光 ...
    1976 年 28 巻 1 号 p. 53-67
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    子宮筋腫によるPseudo-Meigs症候群は, 著者症例を含めて世界で13例が発表されている. Meigs症候群の定義には疑問の余地があるが, True-Meigs症候群の腫瘍には卵巣の線維腫・莢膜細胞腫・Brenner腫瘍・顆粒膜細胞腫がある. Pseudo-Meigs症候群の腫瘍には上記以外の各種の卵巣腫瘍・子宮筋腫・卵管乳頭腫などがある. 腹水産生の機序は, 硬い腫瘍による腫瘍やその茎のリンパ管・血管の圧縮→リンパ滞溜やうつ血・充血→腫瘍の浮腫や液化→液の漏出が考えられる. 胸水の産生は, 横隔膜リンパ系または顕微鏡的横隔膜小欠損による腹水の胸膜腔への移行に, 胸郭内リンパ流の遅延が加わって起こると考えられる. Meigs症候群は銘記されるべきである.
  • ―ことに3段階撮影法について―
    卜部 宏
    1976 年 28 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    HysterosalpingographyにコンラキシンLを使用し次のような知見を得た.
    1. 残像撮影(3step法による)により卵管の疎通性の有無の判定がより正確となる.
    2. 造影剤の腹腔内の広がりにより, 癒着及び卵管周辺の状態を詳細に知ることができる.
    3. 子宮の造影剤に対する反応性を知ることができる.
    4. 卵管像と子宮像との重なりが, かなりの例において消失する.
    5.1stepにおける所見をエンドグラフイン使用例と比較するとコンラキシンLを使用した症例ではT0所見が有意に多く現われる.
    6. コンラキシンLはH. S. G. の造影剤としてエンドグラフインに勝るとも劣らない造影剤である.
  • 松本 雅彦, 長谷川 博規, 北村 吉宗, 亀井 輝二, 大西 賢哲, 野間 英晴, 志村 研太郎, 川村 朝章, 石河 修, 島本 雅典, ...
    1976 年 28 巻 1 号 p. 75-78
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    Prenatal diagnosis of chromosome anomalies was performed at 22 gestational week to a 35 years old pregnant woman (G-4, P-2) who had previously delivered an infant with trisomic Down's syndrome.
    Karyotype analyses of the cultured amniotic fluid cells revealed a chromosome constitution of 47, XX, +21. The cord blood cells of the interrupted fetus substantiated the diagnosis of 21-trisomy.
    The result obtained indicates importance of the prenatal diagnosis to the pregnant women who had previously delivered an infant with chromosome anomalies.
  • 卜部 宏
    1976 年 28 巻 1 号 p. 79-82
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    帝下切開術後に発生した腹壁月経瘻の手術後に生児を得た2例を報告する.
    1例は腹壁側と前腟壁側に開放創を作ることによって治ゆした症例である.
    2例はまず瘻管及び化膿巣の治療に当りコバルトグリンポールを併用した. これにより瘻管摘除手術が容易になり. かつ瘻管及び原因部を完全に摘除することができる. それはコバルトグリンポールの青色で瘻管の範囲が明確になるからである.
    2例共に退院後それぞれ生児を得た.
  • 橋本 良子, 山田 順常, 林 進, 中島 襄, 城戸 国利
    1976 年 28 巻 1 号 p. 83-86
    発行日: 1976/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    われわれは, 半年前より持続する緑色帯下を主訴として来院し, レ線撮影により腟内に鈴を発見した1例を経験したので報告する. 患児は4才. 全身状態には異常なく, 外陰部は発育正常で外傷はなかったが, 発赤湿潤して悪臭があり, 腟スメアはI°~II°であった. 肛門診で前方に硬い腫瘤を触れ, 腟内に挿入したゾンデの先端に金属様の抵抗があったので, レ線撮影を行なったところ直経約1cmの鈴が描出された. 入院の上, 全麻下に子宮鏡を腟内に挿入して鈴の位置を確認し, 肛門から示指をもって容易に圧出し得た. 幼女の腟内異物は稀で, かつ診断が困難な場合が多いので, 文献的考察を加えて報告した.
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