子宮がん集検の目的で自己採取スミア法を用いた大阪府下某検診センターでの成績と, 大阪府立成人病センター婦人科外来での患者に対する医師による直接採取スミア法の成績とを, 最終組織診断が子宮頸部扁平上皮内がん, 初期浸潤がん, 浸潤がんであった症例に限ってそれぞれのfalse negative rateを算出したところ, 医師直接採取スミア法のそれは21.4%, 自己採取スミア法では8.1%であった. 検討対象集団, 検討時期および期間, 検討方法がそれぞれ異なるのでこの両者のfalse negative rateを直ちに比較することは出来ないが, がん専門病院外来における初診時の細胞診断の困難さを是定するとともに, 従来よりの自己採取スミア法に対する低評価を是正する成績を得た.
以上のことから, 自己採取スミア法は細胞診自動診断装置に適用されるべき大量の検体の採取ならびにその均一化に役立ち, かつ, false ncgatlve ratcの比較的低い方法として, 今後, 器具の改良と共にさらに用いられるべきものと考える.
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