無脳体は, 女児に発症することが多いが, 本来単発々症かつ非伴性の先天奇形の一つである. 挙子希望の夫婦に無脳体が生まれることは, 次の子供に対して大きな危惧である. 本症例は連続2回無脳体が生まれたために, 第3子のために男女産みわけ法が用いられた.
遺伝素因としても, 確率的にも第3子に同様な奇形が生まれる可能性は著しく低い. 男女産みわけ法にも拘らず, 健康な女児が生まれた. 患者は男児が生まれなかったことに怒りに近い心情を抱いた. 如様な奇形の再発危惧に対し, 男女産みわけ法が妥当かどうか論評を試みた.
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