産婦人科の進歩
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48 巻, 5 号
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  • 坪倉 省吾, 後山 尚久, 猪木 千春, 坂井 昌弘, 植木 實, 宮崎 和典
    1996 年 48 巻 5 号 p. 529-534
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    大阪医科大学附属病院産婦人科不育症外来を過去5年間に受診した,連続2回以上の自然流産の既往をもつ挙児希望の患者150例について,従来の習慣流産・反復流産についての原因検索および治療を行い,以下の成績を得た.1.原因検索の結果,重複例を含めて子宮異常32例,クラミジア抗体陽性例8例,内分泌異常26例,染色体異常6例,自己抗体陽性98例であった.2.そのうちそれぞれ治療の結果,生児を得た症例は子宮異常13例,内分泌異常6例s染色体異常4例,自己抗体陽性14例であった.3.原因検索にて原因不明と思われる症例74例に夫リンパ球を用いた免疫療法を行った.その結果31例が生児を獲得し,免疫療法の成功率は79.5%であった.以上の結果,習慣流産のみならず反復流産においても挙児を得るための積極的な原因検索と治療が必要であると考えられた.さらに原因不明例に対しても免疫療法が有効であると考えられた.〔産婦の進歩48(5);529~534,1996(平成8年9月)〕
  • 藤原 葉一郎, 塚本 克美, 福岡 正晃, 折野 奈緒子, 小島 秀規, 保田 仁介, 大野 洋介, 本庄 英雄, 松尾 泰孝, 柳原 潤
    1996 年 48 巻 5 号 p. 535-542
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    過去10年間に,出生前に胎便性腹膜炎(Meconiumperitonitis,MP)と診断した4例を検討した.3例が生産に至り,そのうち1例は出生後消化管の通過障害を認めたために開腹術による腸管吻合術を必要としたが,残る2例は消化管の通過障害を認めず,外科的な処置を必要としなかった.MPの出生前診断において,超音波検査でMPに特徴的とされている胎児腹腔内の石灰化像,胎児腹水,消化管の拡張などの所見が認められれば,胎児腹水中の扁平上皮の検出による確定診断を行い,さらに羊水胎児造影を施行することによって,胎児消化管における通過障害の有無からobstructivetypeとnon-obstructivetypeとに分類することが,出生後の児の管理上有用であると考えられた.またMPの診断がついた時点で,TORCHをはじめとする各種ウイルスの胎内感染の有無その他の合併奇形の有無と染色体の分析が必要であり,さらに妊娠中の管理としては,児が胎外生活が可能になる時期までは,羊水や胎児腹水の吸引を施行することにより減圧を計り,適宜切迫早産や胎児心不全を予防し,適切な時期に分娩を予定することが肝要と思われた.〔産婦の進歩48(5);535~542,1996(平成8年9月)〕
  • 鈴木 晋一郎, 志村 研太郎, 小林 俊三, 広瀬 多満喜, 伊藤 裕
    1996 年 48 巻 5 号 p. 543-549
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    当院における最近10年間の既往帝王切開妊婦について分娩の転帰を調査し,対照群との比較検討を行った.TOL(trialoflabor)率,VBAC(vaginalbirthaftercesareansection)率は他施設でのデータ(小林,1994)とほぽ同じであり,TOL例のうちVBAC成功率は81.7%と高い値を示した.VBAC群と緊急帝切群の間に年齢,分娩週数で有意差はなかった.前回CPD(児頭骨盤不均衡)例ではTOL率,VBAC成功率とも低値であったことより,VBACの成否に前回の帝切の適応が大きく関わることが示唆された.また,VBAC群と初産経膣群の間,緊急帝切群と選択帝切群との間にはいずれも分娩時出血量で差がなかったことより当院におけるTOLの安全性が裏付けられた.〔産婦の進歩48(5);543~549,1996(平成8年9月)〕
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