産婦人科の進歩
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50 巻, 5 号
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  • 上月 雅友, 大塚 志郎, 小泉 清, 森山 明宏, 国重 一郎
    1998 年 50 巻 5 号 p. 519-522
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    Chlamydia trachomatis(以下C.trachomatis)によると考えられたPID(pelvic inflammatorydisease)でCA125が高値を示した症例を経験した.症例は25歳,未経妊.不正性器出血を主訴として来院.経膣超音波にて内性器には異常を認めなかった.諸検査を実施し妊娠反応陰性を確認後,medicalcurettageを試みた.腫瘍マーカーは,CA125が209U/mlと上昇しており,CA19-9およびCEAは正常範囲であった.その後ホルモン治療により不正性器出血は軽快したが,3週間後CA125再検したところ1220U/mlとさらに上昇を認めた.CT,および経膣超音波検査を行ったところ内部が均一で表面整の腫瘤(8×5cm)が左付属器領域に認められた.炎症性疾患が疑われたが,CRPは軽度上昇を認めたもののWBCは正常範囲であった.なお,同時に施行したC.trachomatisのIgA抗体は陽性であった.そこでクラリスロマイシン(CAM)400mg/日×14日間の投与を開始した.CA125は最高4580U/mlまで上昇したが治療開始より約2週間後には381U/m1まで下降した.また治療開始後30週にてCA125は正常範囲となり超音波上腫瘤も消失した.〔産婦の進歩50(5);519~522,1998(平成10年9月)〕
  • 笠原 恭子, 秋山 稔, 喜多 伸幸, 木村 俊雄, 廣瀬 雅哉, 高倉 賢二, 野田 洋一
    1998 年 50 巻 5 号 p. 523-529
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    子宮体部原発のneuroendocrine carcinomaのまれな1症例を経験した.予後不良な疾患で,有効な治療法は確立されていない.症例は54歳の2回経産婦で,閉経後性器出血で発症し,骨盤腔内を占拠する子宮腫瘍の急速な増大を認めた.子宮内膜生検標本で,小細胞癌の形態を示し,免疫組織化学染色でシナプトフィジンおよびクロモグラニンに陽性を示したことにより確定診断した.血中の複数のneuropeptideが高値であった.全身状態不良のため,化学療法(CBDCA:280mg,CPA:500mg)1クールを施行したが,腫瘍縮小効果なく,発症後約80日で死亡に至る急速な臨床経過を呈した.〔産婦の進歩50(5);523~529,1998(平成10年9月)〕
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