農業施設
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39 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 清水 和哉, 岡野 邦宏, 楊 英男, 内海 真生, 張 振亜, 杉浦 則夫
    2008 年39 巻2 号 p. 95-104
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    廃水処理における回分操作と連続操作によりロックウールを担体とした微生物のアンモニア酸化法の向上について検討した。回分操作において硝化細菌である Nitrosomonas europaea (NBRC 14298) と鉄とリンの複合体がロックウールに極めて多く付着した。連続操作において, ロックウールを担体とすることで水理学的滞留時間 (HRT) を20hから10hへと短縮することができ, 最大アンモニア除去率は87.5%であった。曝気流量が3000ml・min-1である時, 平均アンモニア除去率は, HRTが20hでは73.1%,HRTが10hでは78.2%であった。アンモニア負荷速度が25.5mg-N・l-1-carrier・h-1の時に最大アンモニア酸化速度22.3mg-N・l-1-carrier・h-1となった。定量PCRの結果, ロックウールに固定された供試細菌は, 1015cells・l-1-carrier 程度であった。以上より, ロックウールは, 多くの硝化細菌を保持することができ硝化速度の向上に寄与することがわかった。
  • 果樹用ガラス実験温室を対象として
    星 典宏, 平岡 潔志, 島崎 昌彦, 森永 邦久, 畔柳 武司
    2008 年39 巻2 号 p. 105-112
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    機械換気される果樹用実験ガラス温室を対象に, レーザ光の投光・受光機器とエアロゾルを用いて, 局所的な換気回数を測定できる低廉な評価法の構築を行った。
    室内をエアロゾルで充満させた後, 機械換気を開始し, 換気に伴ってエアロゾルが排出される過程を, エアロゾルによるレーザ光の変動割合から評価したものである。
    本測定法に用いたエアロゾルは, 自然拡散や沈降などの影響がなく, 換気による数分程度の室内の変化の検証には十分に適用が可能であった。
    室内の不均質が懸念される低換気回数時では, 本測定法によると, 局所的な換気回数は, 1.05~39.6回/hrであった。また, 評価した領域全体を平均した換気回数は19.1回/hrとなり, 給気量から算出した実施換気回数 (30.3回/hr) と比較すると過小であった。
    本測定法は, 実施換気回数の測定法としてより, いわゆる完全混合の仮定に基づかない, 室内環境の評価を主眼とするものである。本測定法で示した局所的な換気回数のばらつきは, 室内の不均質な領域を形成する要因であることから, これまでの実施換気回数による評価から発展して, 室内空間の局所的な領域での換気回数を定量的に比較評価することが可能である。
  • 宮本 眞吾, 浅野 紘臣, 世良田 和寛, 内ヶ崎 万蔵
    2008 年39 巻2 号 p. 113-120
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    近年, 屋内でLEDを光源にした作物栽培に関する研究報告が増えてきている。LED光源は従来の栽培用照明装置に比べて, 消費電力量が少ないことや熱線を含まないため, 近接照射による光合成有効光量子束密度を増加させることができるなどの利点を有している。本研究では, 以上のような特徴を持つLED素子を補助光源として使用した場合のミニバラの花芽の発育に及ぼす影響について検討した。
    その結果, 着蕾・着花した枝を剪定したミニバラに, 家庭内光源の蛍光灯にLED補助光源を用いた場合, 着蕾・着花数および新梢数において有意な差 (p<0.005) が得られ, LED補助光源は花芽および枝芽の発育に有効であることが示された。
    また, 光質の影響についてみた場合は, 対照区との間に有意差は得られなかったが, LED光源を用いた場合は, 花芽等の発育が良く, 開花するまでの期間が短くなる傾向が観測され, LED光源利用の有効性が示された。
  • 閉鎖型構造の外圧係数について
    植松 康, 中原 浩一, 森山 英樹, 佐瀬 勘紀
    2008 年39 巻2 号 p. 121-132
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    我が国で一般的な園芸用パイプハウスを対象とし, その構造骨組用外圧係数を一連の風洞実験に基づいて考察した。ここでは第一段階として, 開口部のない閉鎖型モデルを対象とし, 代表的な2ないし3断面における外圧係数分布を様々な風向に対して測定した。構造骨組用外圧係数の評価に当っては, 風圧の時間的・空間的変動特性を考慮するため, LRC (Load Response Correlation) 法を用いた。これによる等価静的外圧係数分布と時刻歴応答解析の結果並びに従来の設計でよく用いられるガスト影響係数法 (平均風圧係数分布に基づく方法) による結果とを荷重効果の観点から比較・検討した。その結果, 斜め方向から風が吹く場合に,風上側の断面で動的荷重効果が最大になること, 従来のガスト影響係数法では最大荷重効果を与える真の外圧分布が得られないことなどが示された。また, 風力係数に関する現行基準は不十分であり, 必ずしも正しい風荷重が評価できない。なお, 実験の一部は, 同一模型を用い, 異なる2機関で行った。結果の機関間比較により, 気流 (乱れの強さやスケール) の違いや風洞寸法の違いが外圧分布に及ぼす影響, 風洞実験の再現性についても検討した。
  • 石井 雅久, 佐瀬 勘紀, 奥島 里美, 森山 英樹, 池口 厚男, 小綿 寿志
    2008 年39 巻2 号 p. 133-140
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    風洞実験では, 風洞内の気流を屋外の自然風と同じ性状にすることが重要である。本研究では, 農村工学研究所の大型風洞に, 農耕地の風と同じ性状を持った風速および乱れの強さの垂直分布を作成した。風洞実験で用いる模型の縮尺は1/20を想定し, 風洞内の風速と乱れの強さの垂直分布はターンテーブル中心で測定した。本研究では, 以下のような結果が得られた。
    (1) スパイヤ, ラフネスブロック, 人工芝を風洞内に配置し, 農耕地の地表面を再現するのに妥当な粗度長を得ることができた。
    (2) 対数則によって表現した縮尺1/20の粗度長は0.52mmであり, これを実物換算すると10.4mmの粗度長に相当し, 典型的な草地の粗度長を再現することができた。
    (3) ターンテーブル直上の乱れの強さは0.23を得ることができ, 日本建築学会が「建築物荷重指針」で示す乱れの強さを得ることができた。
  • 炭酸イオンのpH阻害に関する一考察
    紙谷 喜則, イッサ.ザカリア アブドゥルスディ, 比恵島 裕美, 守田 和夫, 八木 史郎
    2008 年39 巻2 号 p. 141-146
    発行日: 2008/09/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    強酸性電解水は, 次亜塩素酸塩を含むため, 強い殺菌効果があることが知られている。その殺菌効果により, 手指消毒液生成装置として医療機器に承認され, また, 食品添加物として日本の厚生労働省によって認可された。現在, 強い農薬を使用している農業分野では, 代替農薬として使用されることが期待されている。農業の分野では, 主に, 地下水を使用して電解水を生成される。地下水には様々なイオン種が存在するために, 強酸性電解水を生成する上でpHバッファー効果を有する。従って, 被電解水の水質が強酸性電解水の殺菌効果へ及ぼす影響を検討した。試験に使用される被電解水は, 日本の地下水の水質調査結果からアルカリ度に注目し, NaHCO3を希釈調整して用いた。本報告書では, 炭酸イオンの濃度と強酸性電解水のpHの相関を確認した。電気分解に用いられる原水のアルカリ度 (炭酸イオンに濃度) が0mg/L (純水) の時に, 食品添加物に規制された中心値 (pH2.5) になる電解電流値は8Aであった。この電解電流値で生成すると, 炭酸イオン濃度が68mg/Lの時, 食品添加物に規制された上限 (pH2.7) となることが確認された。また, 日本で使用される地下水の最大アルカリ度は150mg/L以下であり, その時のpHは3.3まで上昇した。pH3.3とpH2.7 (規格値上限) にて同じ有効塩素濃度に調整し, 大腸菌を用いて殺菌速度を比較したところ, pH3.3の方が早い傾向が見られた。強酸性電解水の生成に炭酸イオンを含んだ, 地下水を使用しpH承認範囲 (pH2.5±0.2) から外れ, pHが3.3になったとしても, 大腸菌を用いて確認した結果, 殺菌速度に大きな影響は無かった。
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