農業施設
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45 巻, 3 号
第45巻第3号(通巻142号)
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  • ─加温特性と実規模施設における乳牛への温水供給─
    小島 陽一郎, 阿部 佳之, 天羽 弘一
    2014 年45 巻3 号 p. 99-107
    発行日: 2014年
    公開日: 2023/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,堆肥化過程で発生する発酵熱を,吸引通気式堆肥化システムにより30 kW程度の熱量を持つ排気として回収し,プレートフィン型熱交換器を用いた水の加温特性(実験1)および,実際の酪農家において温水を乳牛へ飲水供給する場合の温水供給能力(実験2)について検討した。その結果,実験1では,1~14 L・min-1 の通水量において,得られる温水温度は48.3~31.0 ℃で,水の加温に利用された熱量は,最大で1.41 MJ・min-1 であった。このとき熱交換効率は90%程度であり,総括伝熱係数は,5 L・min-1 以上の通水量では,80~90 W・m-2・K-1 で安定した。実験2では,実験1と同じ熱交換器を用いて得られた温水を,118頭規模の乳牛群の飲水として供給するシステムを構築し,平均33.3 ℃の温水,14.4 m3・d-1(乳牛 1頭あたり122 L・d-1)が供給できた。このとき,水の加温に利用された熱量は,1 630 MJ・d-1 であった。また,本熱回収システムの運用には,熱交換過程で発生する結露水の処理・利用方法の検討が必要であることが明らかになった。
  • 森山 英樹, 奥島 里美, 石井 雅久
    2014 年45 巻3 号 p. 108-120
    発行日: 2014年
    公開日: 2023/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    2014年2月の大雪によって,関東甲信地方を中心に農業施設に甚大な被害が生じた。群馬県,長野県,山梨県および栃木県の地中押し込み式パイプハウス,鉄骨補強パイプハウス,アングルハウス,鉄骨ハウス,ガラス室および果樹用ハウスを現地調査し,破壊モードおよび被災要因を分類した。単棟温室ではばたつき防止用ネット等が屋根上積雪の滑落を阻害した。連棟型温室では谷に集中した積雪荷重に対する融雪不足が骨組構造の破壊を生じ,谷樋からの越流水が基礎の沈下をもたらした。強風や隣棟間の古い残雪が荷重条件に影響を及ぼした。筋交の不足による柱の転倒が多数あった。その場合,柱梁接合部および柱基礎接合部の破壊が生じた。柱梁接合部には回転を充分に抑制できない仕様のものも多く,柱基礎接合部に力が集中した。現状の問題点に対して,筋交着脱金具の開発,コンクリートを使用した柱基礎接合部の改良,谷樋周辺の被覆材展張方法の改善等の降雪対策を提案した。
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