農業施設
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36 巻, 3 号
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  • 携帯型熟度・障害果評価装置
    大森 定夫, 平田 晃, 中元 陽一, 鷹尾 宏之進
    2005 年 36 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究では, 生育中のパインアップルの熟度や内部障害果を立毛状態で評価可能な, 携帯型熟度・障害果評価装置の開発を行った。基礎調査の結果, 太陽光を光源とする透過光量で熟度や障害果を評価する方法を見いだした。この方法は, 照射される太陽光の強さが天候状況や測定時刻で変化することから, 透過光量を周辺光量で補正する必要があった。また, ハウス内と屋外では光環境が異なるため, 補正した透過光量から熟度や障害果を求めるには, ハウス内用指標と屋外用指標の2種類が必要であった。開発した装置は, 透過光と周辺光を捉える手持ち測定部 (600g) と, 周辺光量と透過光量から熟度や障害果を評価するコントローラ部 (900g) から構成され, 小型軽量な装置とすることができた。熟度評価精度は, 適正評価の割合が約80%であった。また, 障害果 (花樟病果) の評価については, 重度の障害果は1回の測定で評価可能であったが, 中度障害果では複数部位を測定する必要があった。なお, 過熟果の障害や軽度障害果の評価には難があった。
  • 生物脱臭材料としてのヤシガラチップの特性とその基本性能
    原田 泰弘, 道宗 直昭, 古山 隆司
    2005 年 36 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    畜舎から排出される空気等の低濃度の臭気成分を含む悪臭ガスへの対策に資するため, 既存の生物脱臭技術と比較して施設規模の縮小と低コスト化を目的とした生物脱臭技術について検討した。ヤシガラチップをベースとした脱臭材料を用いて脱臭槽を作成し, その設置面積の縮小化等を図るために脱臭材料層のアンモニアガスの見掛け風速を100mm/sに設定し, 濃度20ppm程度のアンモニアの脱臭を試みた。脱臭槽通過前後のアンモニアガスの濃度を測定した結果, 平均80%のアンモニアを除去 (脱臭) することができた。また, 脱臭材料1m3当り平均68.0g/日の窒素成分を分解・除去することができたが, その性能は試験期間を通して大きく変動した。窒素成分の分解・除去性能を低下させる原因は, 脱臭材料の温度の低下と脱臭槽からの排水量の増加と考えられた。脱臭材料温度の低下は, 送入空気の温度低下などが原因と考えられた。これらにより, 窒素成分の分解・除去性能を低下させないために, 排水量を低減する散水方法や脱臭材料の温度低下の防止対策について検討する必要が認められた。
  • 水口 聡, 渡辺 久, 川崎 哲郎
    2005 年 36 巻 3 号 p. 153-159
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    蕾開花促進法による「母の日」用出荷をねらったカーネーション出荷調節において, 採取時の蕾ステージや処理温度が蕾の生育および切り花品質に及ぼす影響について検討した。
    品種‘ノラ’を対象に, 蕾径が15mmのステージ1, 蕾の先端が開きまだ花弁が色づいていないステージ3, 花弁ががくから出た状態のステージ5で採取し, 20℃, 25℃あるいは30℃で開花促進処理を施した。その結果, 蕾開花促進処理により出荷までの日数が顕著に短縮でき, 蕾ステージが若く処理温度が高いほどその効果が大きくなった。切り花品質の問題点として, 20℃処理では花のサイズと花持ち, 25℃処理では花持ち, 30℃処理では花弁色調と, いずれの温度で処理する場合でも品質問題の改善策が必要であった。
    25℃処理の場合, 開花率から判断すると蕾径10mm採取までが若どりの限界と考えられたが, 10mm採取では開花時の花のサイズと花持ちに品質低下が認められた。したがって, 蕾開花促進法における採取時の若どり限界は蕾径15mm以上であると考えられた。
  • 阪田 治, 佐竹 隆顕, 佐俣 純, 北村 豊
    2005 年 36 巻 3 号 p. 161-168
    発行日: 2005/12/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    任意形状の敷地内において, 農業施設・機械の配置条件設定に基づいて最適配置設計を自動的に行う, シミュレーテッド・アニーリング (SA) を援用したシミュレータの改良開発を行った。改良開発したシミュレータは, これまで開発してきたプロトタイプのシミュレータにおいて設定可能であった配置禁止地区, 設備間の距離や密集状態, 機械の連結状態, 設備の重なり状態の除去等の2次元平面上のみの条件に加え, 機械設備および関連施設の高さを制限する条件をも含めた3次元空間内での条件設定を可能としている。
    本論文では, 改良開発した3次元配置シミュレータの性能および実用可能性について仮想機械設備の配置設計シミュレーションにより確認する一方, さらにこれを用いて行ったライスセンター内の機械配置設計について報告する。実験の結果, 専門の設計士による設計とほぼ同様の配置設計が本シミュレータにより得られることを明らかにした。
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