ポリアクリルアミド・ゲルを支持体とするディスク泳動法を利用したアルドラーゼ活性の染色同定法を用いて各種海生動物の組織抽出液中のアルドラーゼの分析を行ない,ほとんどすべての海生動物にアルドラーゼのアイソザイムが存在することを明らかにした。
ぶり,やなぎむしかれい,ふぐ,あこうだいにおいては筋肉および肝臓抽出液中にそれぞれ2,3,5,5種のアルドラーゼ・アイソザイムが含まれていた。こいの筋肉には4個,くるまえび,しゃこ,たいらぎの筋肉抽出液にはそれぞれ3,1,1個のアルドラーゼが含まれていた。たこ,いかの外套膜抽出液にはそれぞれ3個のアルドラーゼ・アイソザイムが含まれていた。
魚類の筋肉および肝臓抽出液中に見られる2~5種のアルドラーゼは哺乳動物のアルドラーゼと異なり,臓器特異性に乏しく,筋肉型と肝臓型アルドラーゼとに区別することは困難であった。
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