原核細胞 (枯草菌) と真核細胞 (ヒトKBおよびマウステラトカルシノーマF9細胞) の低分子量RNAをはじめて平行してアガロース-ポリアクリルアミド複合ゲルおよび尿素-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて解析した.
まず, 枯草菌では発芽初期に4s tRNAや5s rRNAとは異なる, 少なくとも4つの低分子量RNA, LMW I, II, III, IVが検出された. また, LMW I, III, IVはその合成がクロロマイセチン投与によって促進されるRNA分子種であり, さらにそのヌクレオチドの長さはそれぞれ190, 240, 320と推定された.
ヒトKB細胞核ではU1, U2, U4, U5およびU6 snRNAが解析され, スキャンニングの結果よりU2, U4, U5, U6 snRNAの細胞当たりのコピー数が計算された.
一方F9細胞では従来のマウス細胞を用いたいくつかの報告と一致してU1 RNAに関して2種類 (U1aとU1b) が検出され他に7S, U2, U4, U6等のsnRNAが検出された.
報告中で示したすべてのRNA-ゲル電気泳動系において, 解析されたRNAの分子量 (またはヌクレオチド長) の対数がその移動度に正しく逆比例している事が確認された.
抄録全体を表示