健常成人 (男27例, 女36例) のアルカリフォスファターゼ・アイソザイム3 (ALP
3) の活性を, ALPの総活性およびセルロース・アセテート膜上で電気泳動によって分離したALPアイソザイム中のALP
3の割合から求めた. 平均値を血液型各群で比較すると, B型例のALP
3活性および年齢はAB型群のそれらよりも高く, B型例のオステオカルシン値は他の血液型例よりも高かった. ALP
3活性は男女間で差がなかったが, ALP
3の総活性に対する割合は男性のほうが低かった. 女性のALP
3活性はオステオカルシン値と正の相関を示したが, 副甲状腺ホルモン (PTH) 値とは相関がみられなかった. しかしALPの総活性はオステオカルシンおよびPTHと相関した. 年齢はALP
3およびPTHと相関したがオステオカルシンとは相関しなかった. 健常成人におけるALP
3活性の変動 (89.3±28.4IU/
l) は, 女性における年齢依存性の副甲状腺機能の状態および骨代謝に, より直接的な関連因子による骨芽細胞機能の変調によって説明することができた.
抄録全体を表示