前立腺癌患者20例 (平均年齢72示歳) と良性の前立腺肥大患者20例 (平均年齢71歳) について, CK活性ならびに isoenzyme BB, MB, MMを検索した. CK-BBは癌群において肥大群に比し, あきらかな上昇を認め, とくに stage Dにおいてその上昇は著明であった. CK総活性, MB, MMには差はなかった. 前立腺癌のマーカーとされるACP, PAP, PA, γ-Smを同時に測定し, CK-BBと比較した. CK-BBはACP, PAPと肥大群では有意の相関をとったが, 癌群ではそのような相関は消失した. CK-BBは癌群において, %, 活性値ともに, γ-Smと肥大群より著明な有意の相関を呈し, 前立腺癌における両者の密接な関係が考察された. 癌群においてPAはACP, PAPならびにCK-BB活性と有意の相関をとったが, PAとγ-Smは異なる態度をとった. CK-BBは前立腺癌のマーカーとして意義あるものと考察された.
抄録全体を表示