不全心における構造タンパク質の質的, 量的変化を調べた報告はほとんどない. そこで以前に報告した新しい構造タンパク質定量法を用いたモノクロタリン投与による右室不全心でのそれらの質的, 量的変化を検討した.
モノクロタリン投与3週後の右室不全心の構造タンパク質含量を定量するとほとんどの構造タンパク質含量は減少していたが, デスミンは増加していた.
線維組織の増加により単位湿重量あたりの構造タンパク質は減少し, これが心不全をおこすと思われた. デスミンはアクチン繊維をZ帯や介在板に結合させる細胞骨格タンパク質であり, 圧負荷にたいし, 筋原線維を維持するため増加していた.
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