感度の高いELISA法によって血清および髄液中ACTを測定した. また, ACTと同時にAT, AG, CRP (血清のみ) を測定して, ADおよびその他の疾患におけるこれらの蛋白質の変動を調べた.
ADでは血清ACT, AG, CRPおよび髄液ACT, AT, AG濃度が, コントロール群より有意に上昇していた. しかし, いずれの蛋白質も, 他の疾患で高値例が多数認められた.
ADでは alb quotient=(alb in CSF/alb in serum)×1,000がコントロール群より有意に上昇しており, 血液脳関門の透過性が亢進していることが伺えた. また, 髄液内産生の指標である alb index 値はACT, AT, AGともに, ADで上昇が認められなかったことから, ADにおける髄液ACT, AT, AG濃度の上昇機序は, 血液脳関門の透過性が亢進して血清から髄液へ移行した可能性があると考えられた.
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