HCCとCLDの鑑別困難な血清AFPレベル (<400ng/ml) をもつ, HCC患者30例とCLD患者40例の血清PIVKA-IIと血清AFPのレクチン親和性AFP-band (L3, P4+5) を測定し, それらのHCCの指標としての有用性を比較検討した.
ROC分析から得た診断的有用性はP4+5が最も高く, L3が最も低かった. HCC群での陽性率 (カットオフ値はPIVKA-IIが0.10AU/ml, AFP-band が15%) は, PIVKA-IIが56.7%, L3が40.0%, P4+5が46.7%であった. 一方, CLD群ではPIVKA-II陽性が1例あったが, L3およびP4+5陽性例はなかった. また, HCC群においてPIVKA-IIとL3, PIVKA-IIとP4+5, あるいはPIVKA-IIとL3とP4+5を組合せることにより, 診断率はそれぞれ66.7, 66.7, 73.3%に向上した. 結論として, PIVKA-IIとAFP-band の組合せ (コンビネーションアッセイ) は, HCCの早期診断に有効な手段として期待できる.
抄録全体を表示