Separax 膜と反応するIgM-κ型M蛋白を見いだし検討を加えた. ジアセチルセルロースとトリアセチルセルロースを等量混合し油性成分を含まないセ・ア膜を用い電気泳動を行ったところ, 明瞭なM蛋白帯は認めず原点のα
1からβ位に残る幅広い異常蛋白帯が観察された. 水酸基の多い電気浸透除去剤であるヒドロキシプロピルセルロースを含有した緩衝液によるSeparax 膜電気泳動では, Separax-SP膜と同様, 明瞭なM蛋白帯が観察され, 従来のセ・ア膜のアセチル基を水酸基に変えたミクロフィルターFR 100でも明瞭なM蛋白帯が観察された. 患者M蛋白と Separax 膜のアセチル基との反応が考えられ, セルロース膜による血液透析などの既往歴がまったくないことから, その反応様式は免疫学的な交差反応に基づいている可能性が考えられた.
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