生物物理化学
Online ISSN : 1349-9785
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52 巻, 1 号
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原著
  • 牛島 夏木, 藤川 正人, 藤田 清貴
    原稿種別: 原著
    2008 年 52 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/12/04
    ジャーナル フリー
    レチノール結合蛋白(RBP)およびトランスサイレチン(TTR)の測定において,免疫比朧法(NIA)と免疫比濁法(TIA),およびラテックス免疫比濁法(LTIA)との間に乖離を認めた例を経験し解析を行った.NIA法ではRBP 18.5 mg / dl,TTR 68.9 mg / dlと異常高値を示しながら,LTIA法ではRBP値2.4 mg / dl,TIA法ではTTR値14.9 mg / dlであった.患者血清をNIA法のR1緩衝液に添加したところ白濁現象を認めた.免疫固定電気泳動を行ったところ,白濁沈殿物の主な蛋白成分はIgM- λ型M蛋白であったが,IgG-κ型,IgA- λ型のM蛋白も混在し,さらにリウマトイド因子(RF)活性を有していた.関節リウマチ(RA)患者群の血清でもR1緩衝液との反応性が確認され,RF値が高いほどその乖離は著明であった.これらの事実から,RBPおよびTTR測定における乖離は,IgM型RFとNIA法のR1緩衝液成分による非特異凝集反応の可能性が高く,RF陽性患者では十分な注意が必要である.
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