近年, UVAの有害性が明らかにされ, 紫外線防止の必要性がUVB領域にとどまらずUVA領域にも及んできた。それにともないUVA防止効果の製品への表示が求められるようになり, 日本化粧品工業連合会では, 1992年紫外線専門委員会を設置し, UVA防止効果測定法を確立するために, 研究を開始した。
測定法の指標を定めるため, 日本人皮膚にUVA照射を行った。その結果, 照射直後から黒化が認められ, 10-15J/cm
2のUVA曝露量で照射2-4時間後まで持続する黒化の得られることがわかった。本反応を持続型即時黒化, その反応を引き起こす最小の紫外線量を最小持続型即時黒化量 (Minimal Persistent Pigment darkening Dose: MPPD) と定義した。さらにUVA防止効果を示す指数としてPFA (Protection Factor of UVA=試料塗布部のMPPD/試料無塗布部のMPPD) を用いることとした。
次に3% 2-ethylhexyl p-methoxycinnamate, 5% 4-tert-butyl-4'-methoxydibenzoylmethaneを含んだクリームを標準試料として選定し, この試料を用いて, 測定用光源, 被験者の肌タイプ, 判定時間のPFAに及ぼす影響を検討した。本研究で用いたUVA光源, 肌タイプII, III, IV, また判定時間2-4時間の間ではPFAに違いの生じないことを確認した。これらの結果に基づきUVA防止効果測定法基準を確立し, 製品へのUVA防止効果の表示は分類表示とした。
抄録全体を表示