リップカラーの色選択や仕上がり評価には, 多くのイメージワードが用いられている。これらを用いた評価の際には, そのイメージに対する適合度の評価と同時に「似合う」についても評価しているものと思われる。そこで, 我々は「似合う」ことは重要であると考え, 「似合う」と評価されるリップカラー色の規則性の有無について検討した。
「似合う」リップカラー色の評価は種々の要因が影響すると考えられるが, その中でも顔面の肌色との関係が最も重要であると考え, 本研究ではリップカラー色と肌色との2色配色の関係に絞り実験を行った。実験は, 女性の顔写真にCG (コンピュータグラフィックス) によりリップカラーの塗布状態をシミュレートした画像を作成し, これを被験者に提示し「似合う」についての評定を求めた。
得られた評定を, 色彩調和理論を応用した解析や, 数量化I類を用いた解析を行った。その結果, 「似合う」の評価には, リップカラー色と肌色との色差, 特に明度差の正負の関係が重要であることを見いだし, 色彩調和に関する規則性の存在を示唆する結論を得た。
抄録全体を表示