10代-60代の健常女性, 計74名について下肢の肌診断を行い, 下肢のむくみ, 血管浮き, 体毛, 下肢部皮膚トラブルと年齢との関係について検討した。下肢のむくみは脛骨上を押圧しての圧痕スコアにより評価し, Bモードによる皮膚厚・皮下組織厚との関係を調べた。その結果, 年齢が高くなるに従って圧痕スコアは高くなり, むくみやすくなる傾向が認められた。皮膚厚は年齢が高くなるに従って薄くなる傾向が認められ, 皮下組織厚には年齢との相関が認められなかった。押圧による皮膚・皮下組織厚の変化は, 皮膚では年齢との相関は認められなかったが, 皮下組織では年齢が高くなるに従って変化量が大きくなる正相関の傾向が認められた。下肢後側の血管浮きの目立ちを写真上でスコア化した結果, 年齢が上がるに従って目立つようになり, ひどいものでは静脈瘤を形成しているような状態が認められた。その他の下肢部皮膚トラブルに関しては, 色素斑・色むらが年齢が高くなるに従って増える傾向にあり, 肌荒れ・乾燥・テカリ・肉割れは年齢との相関は認められなかった。逆に毛穴目立ち・埋没毛・毛包炎といった毛穴周辺のトラブルは若年層に多い傾向があり, 体毛除去処理との相関が非常に高かった。
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