日本化粧品技術者会誌
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38 巻 , 3 号
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  • 大場 愛, 五味 貴優, 西森 康友, Chris Graves, Anthony Pearse, Chris Edwards
    2004 年 38 巻 3 号 p. 193-201
    発行日: 2004/09/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    長期間UVに晒された皮膚では, 内部構造の変化や表面のシワ形成などが認められる。変化した構造は架橋されて固定されるため, UVダメージが相当深刻な皮膚を元の状態に戻すことは, それほど簡単ではない。そこで, 光老化の初期段階で対処することがシワ対策スキンケアには重要であると考えた。しかし, 多くの化粧品ユーザーにとって真皮のUVダメージを知ることは難しい。本研究では, 光老化による真皮の構造変化を力学的特性の変化として非侵襲的に検知する方法の可能性を検討した。その結果, UVダメージの程度により異なるコラーゲン線維の三次元構造状態がわれわれの開発したResiliometerの測定値と, また光老化の進行とともに増加する弾性線維の変性蓄積量がCutometer測定値とそれぞれ相関することがわかり, これら真皮の変化が機器測定値としてとらえられる可能性が示された。
  • 舛田 勇二, 高橋 元次, 佐藤 敦子, 矢内 基弘, 山下 豊信, 飯倉 登美雄, 落合 信彦, 小川 克基, 佐山 和彦
    2004 年 38 巻 3 号 p. 202-210
    発行日: 2004/09/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    美容上問題となる「目の下のくま」の発生要因として, 一般的に血流の停滞が言われているが, 実際にくまと血流の関係について調査した報告は少なく, また, くまについて皮膚生理学的に論じた報告もほとんどない。そこで本研究では, 非侵襲的な方法を用いくまを皮膚科学的に解析し, その要因を明らかにするとともに, その対応を考え, 「目の下のくま」改善効果の高い商品の開発を行った。くまの発生要因を明らかにするために, くまのある女性とない女性を対象に, 眼下部の皮膚メラニン量, ヘモグロビン量およびヘモグロビン酸素飽和度, 血流速度の計測を実施した。くまのある女性の眼下部では, ヘモグロビン量の増加およびヘモグロビン酸素飽和度の減少が観察された。くま部位では頬と比較して血流速度の低下が見られたことから, 上記結果は血流の停滞により引き起こされたと考えられる。またメラニン量の増加も同時に観測され, その傾向は高年齢層でより顕著であった。以上の結果から, くま部位の明度低下は, 血流速度の低下による皮膚毛細血管内の還元ヘモグロビンの増加と, 皮膚メラニン量の増加によるものと考えられた。以上の検討をもとに, くま発生の主要因である「鬱血」および「色素沈着」, くまを目立たせる小じわ, キメの悪化の各々に対処した「血行促進剤」「美白剤」「保湿剤」配合プロトタイプ製剤を処方し, 3週間の連用効果試験を実施した。その結果, 美容技術者による目視評価, 被験者のアンケートにおいてプロトタイプ製剤の, 高いくま改善効果が確認された。また, 機器測定によってもヘモグロビン酸素飽和度の上昇とメラニン量の低下が確認され, 「くま」の改善に本処方は効果的であることが示された。
  • シャンプー使用感へのコアセルベートの影響
    樋渡 佳子, 吉田 克典, 圷 隆宏, 薮 桃, 岩井 滋
    2004 年 38 巻 3 号 p. 211-219
    発行日: 2004/09/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    カチオン性高分子と界面活性剤を含むシャンプーを希釈すると, ある特定の濃度領域で液-液相分離現象が観察される。粘稠な下層はカチオン性高分子とアニオン性/両性混合界面活性剤によって形成される水に不溶の複合体の相であり, 一般に, この相分離現象をコアセルベーションと呼び, 下層をコアセルベートと称している。このコアセルベートがシャンプーの使用感に強く影響を与えることは経験上知られているものの, 詳細については, 不明な点を多く残している。我々はコアセルベートがシャンプーの使用感へ及ぼす影響を調べるため, カチオン化度や主鎖骨格の異なるカチオン性高分子を配合したシャンプーを調製し, 生成するコアセルベートの性質 (生成領域, 生成量, レオロジー特性, 毛髪への付着) とシャンプーの使用感について検討した。その結果, シャンプー希釈過程におけるコアセルベートの生成領域や生成量によって, シャンプーすすぎ時の使用感が大きく変化することを見出した。またカチオン化度や主鎖骨格を変化させることによって, コアセルベートのレオロジー特性および毛髪への付着をコントロールすることができ, シャンプーの使用感もまた変化させることができることが示唆された。
  • 大江 昌彦, 奥村 秀信, 山村 達郎, 松中 浩, 森岡 恒男
    2004 年 38 巻 3 号 p. 220-225
    発行日: 2004/09/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    海水に含まれるミネラル成分であるオリゴマリン®について, 保湿ならびに肌荒れ改善作用に着目して検討を行った。その結果, オリゴマリン®は培養真皮線維芽細胞を活性化して, コラーゲン産生を促進した。また, 培養ケラチノサイトに対しては, 角化マーカーであるトランスグルタミナーゼ (TG-1) やインボルクリンの発現を高め, 角化を充進させることを確認した。さらに, オリゴマリン®の配合量に応じて角層水分量が増加することから, 肌表面での保湿作用が確認できた。実際に, 乾燥肌の被験者を対象とした使用試験の結果, オリゴマリン®を配合したローションの使用部位で角質水分量の増加, TEWLの減少, ならびに角質細胞形態の改善が観察された。したがって, オリゴマリン®には, 真皮マトリックス構造を強化するとともに, 表皮の角化を促してバリア機能を改善することで肌表面の水分保持能を高め, 肌荒れの予防・改善に有用であることが示唆された。
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