身体洗浄剤や整髪料, 髭剃り処理剤等の製品にとって, 泡の特性は重要であり, これらの製品には洗浄・起泡剤として界面活性剤が配合されている。一方, 香料はさまざまな香粧品に配合されているが, 香料の種類によっては, 香粧品の起泡性, すなわち界面活性剤水溶液の起泡性に影響を与えるものと考えられる。そこで, われわれは洗浄・起泡剤のモデルとしてドデシル硫酸ナトリウム (SDS) を用いて, SDS水溶液の初期の泡立ち, および泡の安定性に及ぼす香料の影響について検討した。その結果, 0.1wt%, 0.3wt%SDS水溶液の初期の泡立ちは, Geraniol (GL), Eugenol (EL) の添加により向上した。動的表面張力測定より, これらの香料は, より短時間に表面張力を低下させていることから, 気/液界面に素早く吸着し, 界面活性剤と混合膜を形成するので, 泡立ちを向上させるものと考えられる。さらに, GL, ELは泡の安定性も向上させており, 起泡助剤として有用であることが確認された。毛髪を用いたシャンプーの起泡力評価においても, GLを添加したシャンプーは, 泡立ち, 泡の安定性ともに優れていることが確認された。
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