日本化粧品技術者会誌
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41 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 化粧品の有効性を高める経皮吸収促進技術
    杉林 堅次
    2007 年 41 巻 4 号 p. 241-245
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    化粧品には, その目的により, 有効成分を角層中に浸透させたり, 表皮細胞層や真皮細胞層に吸収させるべく設計されたものがある一方で, 有効成分を皮膚に浸透させずに皮膚をカバーすることによって目的を達成できるものがある。また, 有効成分を皮膚の実質層ではなく毛髪や毛嚢にのみに集中的に移行させることを企図した化粧品もある。したがって, 化粧品の有効性を高める場合には, その化粧品の目的にあった有効成分の浸透・吸収性を示すことが望まれる。ここでは, 有効成分の皮膚への浸透・分配性, また皮膚透過性の実験・評価方法, さらには, 皮膚浸透・分配性や皮膚透過性の制御や改善 (促進) 技術について主にQ/A形式で紹介する。
  • 内野 正, 五十嵐 良明, 徳永 裕司
    2007 年 41 巻 4 号 p. 246-253
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    皮膚感作性のインビトロ評価法を開発するために, われわれはケラチノサイト, 樹状細胞, 線維芽細胞を含む3次元培養ヒト皮膚モデルの構築を試みた。皮膚モデル中の細胞の生死はHE染色を行って観察した。角層形成後の11-14日目のモデルを試験に用いた。細胞毒性を発現しない濃度のDNCB添加時において, ケラチノサイト, 樹状細胞からのIL-4放出および樹状細胞のCD86発現が誘導された。一方, 非感作性物質のSDS添加時はIL-4放出およびCD86発現の誘導は見られなかった。これらの結果から, この皮膚モデルが皮膚感作性物質の動物実験代替法に適用できる可能性が示唆された。
  • 山田 勝久, 今田 千秋, 土屋 孝弘, 宮本 勝城, 辻坊 裕, 小林 武志, 浜田(佐藤) 奈保子
    2007 年 41 巻 4 号 p. 254-261
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    海洋環境から分離された糸状菌Trichoderma sp.の培養上清について化粧品への応用を目的とした美白効果を調査した。供試菌の培養上清は, 試験管内チロシナーゼ活性阻害作用を有することからその経日的変化を調べたところ, 培養3-4日目に最大となることが判明した。この培養上清中の美白成分を探索するために高速液体クロマトグラフィーに展開したところ, 試験管内チロシナーゼ活性阻害作用を有するものが少なくとも3成分存在することが示唆された。さらにすべての分画物についてB16細胞による評価を行った結果, 同様に三つの画分に有効性が認められたが, 上述の試験管内チロシナーゼ活性阻害作用を示した画分とは必ずしも一致しなかった。試験管内チロシナーゼ活性阻害作用とB16細胞内チロシナーゼ活性抑制作用の両方を示した画分についてヒトメラノサイトを用いて評価したところ, 顕著なメラニン生成抑制効果が確認された。このように, 供試菌の培養上清には多様な美白成分が存在することから, 新しい美白化粧品としての応用が可能であることが示唆された。
  • 水越 興治, 及川 みどり, 伊藤 夕子, 小林 和法, 今村 仁, 松本 克夫
    2007 年 41 巻 4 号 p. 262-268
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    本研究では10代から50代の, 248名の日本人女性の顔面を対象とし, 目立つ毛穴の実態調査を行った。その結果, 20代から30代で目立つ毛穴には角栓が存在し, 角栓の組成を分析した結果, タンパク質成分が約7割を占めることが判明した。一方40代以降では角栓が存在せずに開大した状態の目立つ毛穴が存在することが明らかとなった。また毛穴の開口部面積は10代から20代と, 30代から40代で各々急増するという, 2段階の変化を示す一方, 皮脂量との関連性は年齢とともに低下した。これらの結果から, 若年層では毛穴は角栓が詰まることによって目立ち, 年齢とともに毛穴の中に角栓が存在しなくなっても目立つ構造に変わっていくことが推察された。この調査結果から目立つ毛穴に対するケア方法は画一的ではなく, その性状, 年齢に応じて異なるべきであることが示唆された。
  • 小柳 綾子, 後藤 信行, 大海 須恵子, 内田 咲子, 林 奈津子, 吉岡 正人
    2007 年 41 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
    W/O型乳化物は, リッチなクリーム類に多用されているが, 通常の乳化剤ではW/O型乳化が難しいと言われている油性物質も多い。今回われわれは, 分子内に加水分解シルクタンパク質, アルキル基, シリコーン鎖と性質の異なる部位を有している多機能性ハイブリッドポリマーをW/O型乳化物の調製に用いてその有用性を検討した。このハイブリッドポリマーを用いることで, 従来困難であると言われていた極性油やシリコーン油のW/O型乳化物の調製が容易にでき, しかも乳化物は長期間安定であることを見出した。さらに, 化粧品製剤への応用として, W/O型サンスクリーンを調製して使用感の評価を行ったところ, ハイブリッドポリマーを用いて調製したサンスクリーンは, 通常のW/O型乳化物のべたつきを抑えながらしっとり感を与える効果があることが確認できた。このハイブリッドポリマーの保湿性はin vivo, in vitro試験からも確認できた。
  • 熊野 可丸
    2007 年 41 巻 4 号 p. 276-281
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2010/08/06
    ジャーナル フリー
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