Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
Print ISSN : 1883-4140
31 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
事例・実践報告
  • 千葉 至, 大束 忠司, 小林 靖長, 槇野 陽介, 小黒 喬史, 小林 哲郎, 橋本 瀬成, 関 星汰朗, 黄 仁官
    2024 年31 巻7 号 p. 12-22
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル 認証あり

    パラバドミントン低身長クラスの男性選手1名を対象に実施した6ヵ月間のストレングストレーニングが筋力および垂直跳躍指標に与える影響を報告することを目的とした。本報告期間のストレングストレーニングプログラムには、バドミントン競技の競技特異性を考慮し、Day1に両側性の種目を、Day2に片側性の種目を採用した。6ヵ月間のトレーニング介入により、バックスクワット、ベンチプレスの最大挙上重量がそれぞれ15 kg(14.3%)、7 kg(11.5%)増加し、背筋力が9 kg(15.9%)増加した。垂直跳躍について、最大挙上重量測定セッション時の3種類の垂直跳躍高すべてがベースライン値よりも高値であった一方、修正反応筋力指数はモニタリング期間中ベースライン値を上回ることはなかった。本報告は選手1名のみを対象としているためさらなる知見の集積が求められるが、競技特異的な動作パターンを考慮したプログラムが最大挙上重量や垂直跳躍高の向上に有効であることが示唆された。

From Strength & Conditioning Journal
  • Benjamin H. Gleason, Timothy J. Suchomel, Clive Brewer, Eric L. McMaho ...
    2024 年31 巻7 号 p. 23-39
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル 認証あり

    アメリカでは過去数十年、大学のアスレティックデパートメントやプロスポーツチームが、チーム運営をサポートするためにスポーツ科学者を雇用するようになった。スポーツ科学に関連する職種は多種多様で、職務内容も多岐にわたることは国際的にも明らかである。したがって、本稿の目的は、(a)アメリカのスポーツ組織に配属されていると思われるスポーツ科学者の役割を定義すること、(b)可能性のある適用レベルを明らかにすること、(c)スポーツ科学プログラムがどのようにアスリートのサポートの基準の確立に役立つかを明らかにすること、(d)スポーツ科学者の役割を担う人々の専門的能力を確立する海外での実践を取り上げることである。この考察は、スポーツ組織やリーグおよびシステム内の組織構造を最適化し、組織のダイナミクスを強化し、アメリカにおける認定およびトレーニングプログラムの開発、改善、または支援に利用することができるだろう。

  • ManYing Ren, Yu Tian, Conor McNeill, Seth Lenetsky, Aaron Uthoff
    2024 年31 巻7 号 p. 40-50
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル フリー

    柔道はオリンピックの格闘技種目であり、高強度の間欠的努力によって対戦相手を投げ、抑え込み、「参った」をさせることを特徴とする。一流のコーチによると、競技のカギを握る重要なパフォーマンス指標のひとつは神経筋系のパフォーマンスである。柔道では、対戦相手との組み手争い、高い技術を要する投技、および動的筋活動や等尺性筋活動によって相手の動きを制する寝技など、神経筋系に高い要求が課される。そのため筋力が強ければ、同等の技術をもつ選手よりも有利に試合を運ぶことができる。本稿はこの点に注目して、様々なタイプの筋力が柔道のパフォーマンスに果たす役割を検証し、神経筋系の特性を基にエリートレベルの柔道選手のトレーニングの指針を示す。

  • Rafael L. Kons, Lucas B. R. Orssatto, Marina Saldanha da Silva Athayde ...
    2024 年31 巻7 号 p. 51-64
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル 認証あり

    このナラティブレビューの目的は、トレーニングおよび競技中に選手に課せられる身体的要求を基に、様々な種類の柔道特異的なテストについて説明し、それらの使用に関する指針を提供することである。様々な身体能力(有酸素性および無酸素性能力、筋持久力など)を評価するために、いくつかの柔道特異的なテストが開発されている。それらは、打ち込み(技の反復または反復トレーニング)、投げ、移動動作、柔道衣の把持など、柔道のスキルや技を用いて、パフォーマンスに関与する変数を明らかにするものである。いずれのテストも、個別の選手の身体的プロフィールを特定し、トレーニング効果(急性、亜急性、慢性)をモニタリングするために使用できるが、なかにはトレーニング負荷の処方に使用できるものもある。本稿で分析した柔道特異的なテストは、性別や体重別階級に関係なく、柔道選手の身体パフォーマンスを評価するための、妥当性を有し、かつ利用しやすい代替手段である。これらのテストは、トレーニング効果をモニタリングするため、あるいは(可能であれば)トレーニング負荷を処方するために、(シーズン中の)異なる時期に実施することが推奨される。今後の研究では、異なる集団における他の種類の妥当性(構成概念妥当性など)や、パフォーマンスの変化を(小さな変化でも)検出するテストの感度を調査することができるだろう。

  • Austėja Navickaitė, Gavin Thomas
    2024 年31 巻7 号 p. 65-76
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル フリー

    ストレングス&コンディショニング(S&C)は、競技の準備における重要な要素である。しかし、極真空手の研究は進んでおらず、選手のための特異的なトレーニングに関する提言が不足している。そこで本稿では、(a)ニーズ分析を通して極真空手の要求を評価し、(b)体力テストバッテリーを提案し、(c)極真空手選手のためのトレーニングに関する推奨事項を提示することを目的とした。本稿は、極真空手および関連する格闘技についての研究結果を統合し、S&Cの分野に直ちに導入できる、現場に応用可能な知見を提供するものである。

  • Süleyman Ulupınar, Serhat Özbay, Cebrail Gençoğlu, Tahir Hazır
    2024 年31 巻7 号 p. 77-89
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    ジャーナル 認証あり

    本稿はシステマティックレビューとメタアナリシスによって、反復スプリント能力(RSA)のアウトプット(合計スプリントタイム:TSTと疲労スコア)と、有酸素性能力指標(最大酸素消費量:VO2max、シャトルラン持久力テストの走行距離:SRTdistance、無酸素性の乳酸性作業閾値における速度:ALTvelocity)の相関関係の推定値を提供することを目的とする。メタアナリシスに含む文献の特定には、MEDLINE(PubMedを介して)とWeb of Scienceのデータベースを利用した。各研究からRSAアウトプットと有酸素性能力指標の相関係数を抽出して、プールされた相関を示した。選択基準を満たす研究は45件、含まれる被験者数は累計1,488名であった。メタアナリシスの結果、TSTとVO2max(プールされたr=0.444、p<0.001)、TSTとSRTdistance(プールされたr=0.465、p<0.001)、TSTとALTvelocity(プールされたr=0.527、p<0.001)、RSA疲労スコアとVO2max(プールされたr=0.449、p<0.001)、RSA疲労スコアとALTvelocity(プールされたr=0.460、p<0.001)の間には、中程度の正の相関関係が見出された。さらに、RSA疲労スコアとSRTdistance(プールされたr=0.305、p=0.029)の間には低い正の相関関係が見出された。本稿は、RSAアウトプットと実用的な有酸素性能力指標のプールされた相関を示した。一般的には、両者の間に強い関係が存在すると考えられているが、本稿のメタアナリシスによると相関関係は低~中程度であった。

feedback
Top