Second Language
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3 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 白畑 知彦
    2004 年 3 巻 p. 3-24
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 鶴谷 千春
    2004 年 3 巻 p. 27-47
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本研究は日本語の第一、第二言語習得過程において、母語の音韻構造がどう作用するかを拗音の習得に焦点をあて、考察するものである。日本語には拗音と呼ばれる口蓋化子音があるが、それを含む特殊モーラは、日本語がモーラ言語であるという制約のため、CVモーラと同じ時間長であることが要求される。しかし、英語を母語とする日本語学習者は、子音、母音の時間長の誤りに加え、口蓋化子音を類似の子音連続 “Cj” とみなし、その典型的な誤用である母音の挿入を行う例がよく見うけられる。 “Cj” 内の/j/が音韻的に子音と母音のどちらに属するかは、日本語また英語においても議論が揺れており、両言語話者の拗音習得のストラテジーはその解明の一端をになうものと考えられる。
    “Cj” と口蓋化子音の音声学的な類似性を考慮して、子音連続の習得過程を参考に考察をすすめた。一般的に幼児は子音連続の発音のむずかしさを子音の一つを省略することによって避ける傾向がある。幼児が子音連続を簡略化する方法は様々な観点から考えられているが、ソノリティ (聞こえ度) が最もよく言及される要因だと言える。音節の初めでは、子音から母音への聞こえ度の上昇が最も高くなるように子音の省略が行われることから、 “Cj” の簡略化及びその他の誤りのパターンを音韻的構造と関係づけ、観察した。
    結果は第一言語学習者 (日本人幼児) と第二言語学習者 (英語話者) の拗音の習得過程に明らかな相違が見られた。モーラ時間の制約のため、日本人幼児は母音挿入を行わないが、英語話者には母音挿入をはじめとするモーラ時間をこえた間違いがみられた。さらに、省略する子音の選択にも違いが見られ、両言語における/j/の音韻的位置を示唆する結果が得られた。また、日本人幼児は、拗音の発音にたけているという概念 (幼児語) は、破擦音/t∫/, 摩擦音/∫/の早期習得に負うものが多いことがわかった。
  • ジェラルド ブロック
    2004 年 3 巻 p. 49-68
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    第二言語習得研究において, 項構造の習得は近年多大に着目されている.本論文では, 韓国人英語学習者の第二言語における所格交替の知識に関する新たな発見について考察する.Bley-Vroman & Joo (2001) とSchwartz et al. (2003) の先行研究に従い, 韓国人英語学習者と英語母語話者に容認可能性判断テストを用いて実験を行った.このテストでは, (a) 所格交替, (b) 前置詞句脱落, (c) 主語位置への繰上げという三つの構文が, 中間言語における意味論的動詞分類の知識とその統語的振る舞いを検証するために用いられた.その結果, (c) の点に関してはデータが不明確であるが, しかしながら韓国人英語学習者は (a) と (b) のような英語における所格の動詞分類を正しく習得できるという結果が得られた.
  • 栗原 千恵子
    2004 年 3 巻 p. 69-95
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    統語に関する第二言語習得は, 少なくともその初期段階において, 母語のパラメター値を転移して行われると主張されてきた (Schwartz, 1998a & b;Schwartz & Sprouse, 1994, 1996;Tsimpli & Smith, 1991;Tsimpli & Roussou, 1991).母語転移のメカニズムに関して, Tsimpli & Roussouらは, 以下のように説明している : 母語転移とは、母語の素性を第二言語の形態音素にマッピングすること, すなわち第二言語のインプットを “誤って分析する” ことである.本研究は, 日本語話者による英語の義務的主語 (指示的名詞, 仮主語の'it''there') の習得を例にとって, 以上の仮説を考察し, “誤分析” 説にさらなる支持を与えることを目標とする.Chomsky (1995) が提案した理論枠組みによれば, 日英語の主語の違いは帰属する素性の特性によって説明づけられるということである.日本語の時制文では空主語が可能であるが, 英語ではそれが不可能である.これは機能範疇Tに帰属するD素性が原因となっている.英語のD素性は強く, 日本語のそれは弱い (Wakabayashi, 1997, 2002;cf. Yatsushiro 1999).しかし, このパラメターの違いは日本人英語学習者によって簡単に克服されるという報告がされている (Hirakawa, 2003;Wakabayashi, 1997, 2002;Wakabayashi & Negishi, 2003;Zob1, 1990).本研究は, 日英中間言語の中の動詞直前に位置する名詞句が, 英語でいう主語に当たるものなのかどうかを調査し, 以上の報告の正当性を吟味する.そして, 実験データを基に, 英語習熟度初・中級の学習者が英語の「主語-動詞」構造を「話題-空主語-動詞」と取り違える一方、述語の前には顕在的な句が必要であることを知っていることを示す (Kuribara, 2000, 2003).文法性判断テストを初級から中 (の上) 級に相当する学習者に実施した.このテストには, 2タイプの構文が含まれ, 1つは空主語が構造的に異なる環境に位置する文で, もう1つは「名詞話題句-主語」構造を持つ文である.データ分析の結果として, 学習者は, 動詞が主要部範疇の後に来る空主語節よりも名詞句のような句範疇の後に来る空主語節を著しく容認することが分かった.「名詞話題句-主語」構造については, 初・中級学習者の大多数が話題句が0標示されているか否か, 主語が顕在的か否かにかかわらず全ての構文を受け入れた.これらの結果は, 明らかに英語のD素性値を習得していないということを示す.学習者が習得したのは, むしろ, 英語は動詞の前に (日本語の意味での) 話題および/又は主語を生成し, それ (らのうちの一つ) はいつも形態音素を必要とする, ということの二点である (cf.Hawkins, 2001;Kuribara, 2000, 2003).
  • Makiko Hirakawa. Hituzi Syobo, Tokyo. 2003.
    大下 浩之
    2004 年 3 巻 p. 99-101
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 畑佐由紀子(編).くろしお出版.2003.
    白畑知彦
    2004 年 3 巻 p. 101-103
    発行日: 2004/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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