Second Language
Online ISSN : 2187-0047
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4 巻
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • ロジャー ホーキンズ
    2005 年 4 巻 p. 7-25
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 白畑 知彦, 久野 美津子
    2005 年 4 巻 p. 29-50
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本稿は, 第二言語としての日本語の名詞句構造に関わる「ノ」の生成と過剰生成についてのメカニズムを調査したものである.被験児は中国語母語話者1名と英語母語話者2名で, 彼らから収集した縦断的発話データを分析したその結果「名詞句+ノ+名詞句」では最初期に「ノ」の脱落が観察され, 次に「ノ」が付与され始め, しばらく適格構造と不適格構造とが混在し, 最終的には適格構造のみとなった一方, 「形容詞句+名詞句」では最初期に「ノ」の付与のない発話が観察され, 後に「ノ」の過剰生成が適格構造とともに観察され, 最終的に「ノ」の過剰生成は消失した「ノ」が過剰生成された期間に中国語母語話者の場合が最も長かった以上のことから, 名詞句構造内における「ノ」の発達過程は, まず「ノ」を付与しない段階があり, 次に「ノ」を付与する段階がある.ただし, この段階にいる学習者は「形容詞句+名詞句」構造で「ノ」を過剰生成してしまう.この発達過程は母語 (L1) の場合と同一であり, 基本的には同じメカニズムが働いていると考えられる.名詞句構造の習得は「ノ」の付与規則を習得する過程でもあり, 本来修飾要素が名詞句の場合に用いる規則を, 形容詞句にも適用してしまうことが, 「ノ」の過剰生成の一因であろう.さらに, この過程には修飾要素の素性の習得も関与し, 素性を正しく把握していないことが, 「ノ」の脱落や過剰生成の一因となっている.そして, 「ノ」の付与規則習得に要する時間は, L1の特性によって影響を受け, その結果不適格構造が続く期間に差が生じると考える.
  • 柴崎 秀子
    2005 年 4 巻 p. 51-70
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 第二言語の科学的なテキスト理解における読み手の語彙知識と背景知識の影響を明らかにすることである.実験1では175名の日本人大学生と高校生を被験者に, 一般的な英語力を測定するためのクローズテスト, テキスト内の語彙知識を測定するためのテスト, テキストの内容に関しての知識を測定するための背景知識テストを行った.次に, 被験者は心臓と血液循環に関する英文のテキストを読み, その後, テキストベースの理解を測定するためにテキスト課題と, 状況モデル (van Dijk &Kintsch, 1983) の構築を測定するために推論課題を行った.パス解析の結果, 語彙知識はテキストベースの予測変数であり, 背景知識は状況モデルの予測変数であることが示された.また, テキストベースと状況モデルの間に強い因果関係があることも示された.実験2では, 語彙知識テストによって分けられた高知識群 (37名) と低知識群 (45名) が実験1と同じテキストを読み, テキスト課題推論課題再生テスト, テキストの要約, の4つの課題を行った.その結果, 再生テストとテキスト課題において, 高知識群は低知識群よりも良い成績で有意な差が示された.しかし, 推論課題と要約の成績においては, 有意な差は示されなかった.実験3では, 背景知識テストによって分けられた高知識群 (34名) と低知識群 (36名) が実験2と同じ手順でテストを行った.その結果, テキスト課題, 推論課題, 要約において, 高知識群は低知識群よりも良い成績を示し, 有意な差が示されたが, 再生テストにおいては有意な差は示されなかった.実験2の結果から, 語彙知識はミクロ命題の量を増やすことに貢献するが, マクロ命題の構築には効果が低いことが示唆された.またこれと対照的に, 実験3の結果から, 背景知識はミクロ命題の増大には効果が低いにも関わらず, マクロ命題の構築に貢献し, その結果, テキストベースと状況モデルの質を高めることが示唆された.
  • 松永 恵子
    2005 年 4 巻 p. 75-110
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本研究は自他交替の第二言語習得について, 中間言語に見られる学習者の過剰般化エラーに着目し調査する.項構造習得の先行研究において, 受動化の過剰般化 (英語母語話者がThe window brokeを使用する文脈でThe window was broke, *The letter was arrived, *The child was cride), 使役化の過剰般化 (*The postman arrived the letter, *The dentist cried the child) による学習者のエラーが報告されている.ここでの疑問は, こうした過剰般化が母語にかかわらず第二言語学習者間で均等に観察されるのか, そして何故このようなエラーが起こるのか, 例えば文脈効果によるものなのか, もしくは母語転移によるものなのか, ということである.これらの疑問に答える為, スペイン語, 日本語をそれぞれ母語とする成人英語学習者を対象に, 実験調査を実施した.容認性判断テストと翻訳を基にした産出テストの結果, グループ間 (スペイン語母語話者対日本語母語話者), 英語習熟度 (習熟度の低いグループ対習熟度の高いグループ), 動詞クラス間 (非対格動詞対非能格動詞) で, 過剰般化エラー数の違いが観察された.実験のデータ分析の結果, 学習者は非対格動詞と非能格動詞を区別していることが分かった.過剰般化エラーは非能格動詞に比べ, 非対格動詞で顕著に観察され, この結果は項構造レベルでの両者の違いに起因すると考えられる.一方, 過剰受動化エラーにおけるに言語グループ間の違いは, 自他交替に関わる形態素とそれに伴う派生パターン, つまりスペイン語は反使役化に関わる形態素のみを持つが, 日本語では反使役化に加え, 脱使役化による自他交替も可能であるという二言語間の違いにより生じたものと考えられる.
  • 栗原 千恵子
    2005 年 4 巻 p. 111-139
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 日本語話者による英語の功there形構文の習得を調査する.there構文は, 英語において唯一, 表層非対格性を表す構文である (Leven and RapPaport Hovav, 1995).本研究の目的は, Belletti (1988) が提案した枠組みを基に, 日本語話者が, 英語の非対格動詞とBe動詞が持つ格付与の特性を習得できるのかどうか, を明らかにすることにある.英語の非対格動詞とBe動詞は随意的に部分格を内項に与えることができる (Lasnik, 1992, 1995).その結果, 内項である名詞句は基底地に留まることができ, そして拡大投射原理を満たすためにthereが主語位置に挿入される.部分格は限定性と相いれぬため, その名詞句は非限定のものでなければならない.これに対比して, 日本語では, 同種の動詞は義務的に主格を動詞の前の内項に与える.また, 拡大投射原理は弱いため, DPは主語の位置に挿入される必要はない (Yatsushiro, 1996, 1999).受け身動詞と非能格動詞に関しては, 両言語は同じ特性を持っている.以上を枠組みとして, Hirakawa (2003b) は先駆的研究を行ったが, 習熟度中級レベルの被験者はBeの部分格は習得したが非対格動詞の部分格は習得していないと主張した.この結論の正当性を吟味するため, ネイティブスピーカーと初級から上級に及ぶ4レベルの習熟度の異なる学習者に文法性判断テストを行った.テスト構文は, 動詞の種類 (非能格動詞, 受け身動詞, 存在や出現を表す非対格動詞1, 他の意味を表す非対格動詞II, Be動詞) と名詞句の限定性によって異なる, 'DP-V'と'thereV-DP'の2タイプである.実験結果から, 学習者が, どの種類の動詞が虚辞のthereと共起可能か, またさらに, 下位分類された動詞群の中でどのグループがthere構文内に生じることができるのか, も分かって来ることが判明した.しかし, 同時に, 上級レベルに到ってさえも, 非能格動詞や, 存在・出現を表さない非対格動詞がthere構文をとることができない, ということは習得されていなかった.さらに, '*there-UnaccusadveI/be-definiteDP'が非文法的な構文と判断されなかった.これらの結果を基に, 非対格動詞やBeといった特定の動詞郡に属する格は, 成人外国語習得者によって習得されないと論じた, 代わりに, 日本語話者は, 母語の語彙に関する意味知識と形態音韻レベルに関する知識を第二言語に応用することによってthere構文を習得する, という説を提案する.
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