本研究では,「児童の目的意識に沿って必然的に合科的な学習となる展開」を体育と外国語,家庭と外国語の合科的な学習として構想・実践した二つの事例をもとに,そのような授業づくりを実現する意義と教師の手立てを考察した。
両実践ともに児童は「伝えたい,知りたい,できるようになりたい,そのために」という明確な目的意識をもち,主体 的に体育や家庭のねらいとなる知識・技能を高めたり,必要な英語をすすんで獲得して主体的にコミュニケーションを図ったりする合科的に学ぶ姿が認められた。
これは単に複数の教科のねらいを効率的に達成するだけでなく,児童が児童の論理に沿って主体的に学ぶ姿を生み出す合科的な展開としての意義がある。このような授業の実現には,学級担任が日常の生活や授業で児童の興味・関心や能力の実態を多面的にとらえて学習対象の検討・開発に生かすこと,教科等横断的に学習内容やねらいを見通すことが重要といえる。
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