本研究の目的は,森川ら(2024)が開発した対人的適応感や規範意識を向上させる3ステップの道徳教育プログラム(Program Based Approach by Optimal Design,以下PBAODと記述)」の効果を検討することである。そのために,小学4年生の年度初めを対象とする,道徳科教材を変えた2種類のPBAODの効果を検討した。本研究から次の点が示唆された。SST(social skills training,以下SSTと記述),向社会性を育成する道徳科授業,公正さや規範意識を育成する道徳科授業,学級目標を話し合う学級活動を順に組み合わせるPBAODは,道徳科教材のテーマが同じであれば,教材が違っても同様に対人的適応感が向上する可能性がある。また,PBAODは教師にとって取り組みやすく,効果も実感し易い。年度初めに実践することで,学級の荒れやいじめ,学校不適応の防止等,学級づくりや学校運営にも活用できると考える。
本研究の目的は,CLIL(内容言語統合型学習)に着目した小学校外国語科の授業を開発し,言語理解・内容理解の変容や言語面・内容面における興味関心の変容を分析することで,小学校外国語科におけるCLILの有用性を検討することである。そこで本研究では,第6学年単元 "Save the animals."を事例として,英語「で」絶滅危惧種の住処や抱えている問題と対策について学ぶ学習を,児童の発話やアンケート調査から分析した。また,MI理論(多重知能理論)の考え方に基づき,児童が8つの知能を生かせるように学習内容を構成し,言語理解と内容理解の足場かけとした。その結果,言語理解と内容理解の向上が見られ,特に言語理解に関わる知能を用いた活動に意欲をもつ児童が増加した。外国語科を中心としたCLILの授業において,目的・場面・状況をふまえた言語活動の重要性をMI理論の観点から捉え直すことができた。