初等教育カリキュラム研究
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Ⅰ 論文
  • —Program Based Approach by Optimal Design(PBAOD)による小学4年生の年度初めの実践をもとに—
    森川 敦子, 髙橋 均
    2026 年14 巻 p. 1-10
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/06/11
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,森川ら(2024)が開発した対人的適応感や規範意識を向上させる3ステップの道徳教育プログラム(Program Based Approach by Optimal Design,以下PBAODと記述)」の効果を検討することである。そのために,小学4年生の年度初めを対象とする,道徳科教材を変えた2種類のPBAODの効果を検討した。本研究から次の点が示唆された。SST(social skills training,以下SSTと記述),向社会性を育成する道徳科授業,公正さや規範意識を育成する道徳科授業,学級目標を話し合う学級活動を順に組み合わせるPBAODは,道徳科教材のテーマが同じであれば,教材が違っても同様に対人的適応感が向上する可能性がある。また,PBAODは教師にとって取り組みやすく,効果も実感し易い。年度初めに実践することで,学級の荒れやいじめ,学校不適応の防止等,学級づくりや学校運営にも活用できると考える。

  • 沖本 美佳, 松宮 奈賀子
    2026 年14 巻 p. 11-20
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/06/11
    ジャーナル フリー

    本研究は,シンセティック・フォニックス指導により,小学校中学年児童の音素を認識する力及び文字を音声化する力が促進されるかを検討したものである。3年生(35名)と4年生(42名)に対し1年間,外国語活動の45分の授業の冒頭約10分間に42音素のシンセティック・フォニックス指導(ジョリーフォニックスを教材として用いる)を行い,指導の効果検証として単語中の音素を特定し位置を把握する音素聞き取りテスト及び,視覚的に提示された音素を繋いで音声化するデコーディングテストを実施した。その結果,習得の難しい音素と比較的容易な音素の傾向が見えたこと,ダイグラフ(2文字で1つの音素)は指導をすることで習得できること,文字を音声化する力は調査を行った10月から3月にかけて促進されたことから,継続したシンセティック・フォニックス指導の効果が示唆され,高学年での読み書きへの円滑な移行へ繋がる可能性が示された。

  • —CLIL(内容言語統合型学習)に着目して—
    山田 竜誠
    2026 年14 巻 p. 21-30
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/06/11
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,CLIL(内容言語統合型学習)に着目した小学校外国語科の授業を開発し,言語理解・内容理解の変容や言語面・内容面における興味関心の変容を分析することで,小学校外国語科におけるCLILの有用性を検討することである。そこで本研究では,第6学年単元 "Save the animals."を事例として,英語「で」絶滅危惧種の住処や抱えている問題と対策について学ぶ学習を,児童の発話やアンケート調査から分析した。また,MI理論(多重知能理論)の考え方に基づき,児童が8つの知能を生かせるように学習内容を構成し,言語理解と内容理解の足場かけとした。その結果,言語理解と内容理解の向上が見られ,特に言語理解に関わる知能を用いた活動に意欲をもつ児童が増加した。外国語科を中心としたCLILの授業において,目的・場面・状況をふまえた言語活動の重要性をMI理論の観点から捉え直すことができた。

  • —くりかえし案を用いた学習を行った児童を対象として—
    榎原 朱梨, 松宮 奈賀子
    2026 年14 巻 p. 31-40
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/06/11
    ジャーナル フリー

    本研究はくりかえし案での学習の有効性を検討するために,複式学級高学年児童の書くことの実態を把握することを目的とした。複式学級外国語科年間指導計画に沿って学習をした複式学級6年生児童7名,複式学級5年生児童7名,通常の年間指導計画に沿って学習を行った単式学級6年生児童29名を対象に,学習指導要領をもとに作成した4種類のテストを実施し,結果の比較を行った。その結果,くりかえし案によって単式学級よりも大きく限られた時間での学習であった複式学級5年生も単式学級6年生と同程度の書くことの力を身に付けている実態が明らかになった。また,複式学級6年生はいずれのテストも平均点が最も高く,くりかえし案によるカリキュラムを通し,書くことについての理解が深まり,定着に繋がっていると示唆された。

Ⅱ ノート
  • —児童の自発的な言葉の表現にみられる音感覚に着目して—
    中村 恵美子
    2026 年14 巻 p. 41-48
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/06/11
    ジャーナル フリー

    本研究は,日本伝統音楽の学習を児童にとって身近なものとし,実感的な理解を深めていくために,口唱歌を用いた箏の学習と,児童の身近な言葉の表現,すなわち,音の響きやリズムを含む言葉を用いて自分の表したい音やオノマトペなどを自発的に表出することを関連付け,小学校音楽科における音と言葉とのかかわりを生かした箏による音楽づくりの実践を考察することを目的とする。実践を分析した結果,児童は音のイメージを言葉で歌い伝え合いながら音楽づくりを行い,学びを深めることができたこと,日本伝統音楽をより身近に感じることができたこと,それによって児童の自発的な言葉の表現と日本伝統音楽の実感的な理解をつなげる授業の可能性が明らかになった。

Ⅲ シンポジウム「〈初等教育の〉教育課程は“誰”のものか」
2025年度 初等教育カリキュラム学会賞・編集後記
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