尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
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50 巻
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 田口 誠一
    2018 年 50 巻 p. 1-13
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    セオドア・ドライサーの短編 “Will You Walk into My Parlor?” はドライサーの短編の中では最も長い作品であり, 意外な結末を試みた唯一の短編小説であると考えられている。この短編はわずかな注目しか集めておらず, 評価も低い。確かに傑作ではないが, 読者を引き込む魅力が備わったスリリングな作品と見なすことができる。この論文では「私の居間にどうぞ」の再評価を試みている。
  • 畠山 真一
    2018 年 50 巻 p. 15-30
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は, リアリティ水準と多レイヤー性という観点から, 現実世界と結びついているアニメーション作品を分析し, ロトスコープを使用する作品が持つ「不気味さ」が何に起因するかを明らかにすることを目的としている。Lamarre (2009) が述べるように, アニメーション作品は多数のレイヤーを重ね合わせて虚構世界を創りだすという特質 (多レイヤー性) を持っている。この特質によって, アニメーション作品はそれぞれのレイヤーにおいて異なったリアリティ水準を設定することが可能となっている。本研究では, 多レイヤー性とリアリティ水準という2つの理論的装置がアニメーション作品を分析する際に極めて大きな役割を果たすことを示す。
  • 桑原 芳哉
    2018 年 50 巻 p. 31-44
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では, 過去2回の調査に引き続き, 2017年時点における公立図書館の指定管理者制度導入状況について網羅的な調査を行い, 近年の動向について分析することを目的とする。調査の結果, 2017年11月現在, 245自治体, 638館において指定管理者により管理運営が行われていることが確認できる。2016年度は新たに22自治体, 74館で指定管理者制度が導入されるなど, 指定管理者制度導入館は増加している。NPO を指定管理者とする図書館は全国で43館に留まるが,地域に根ざした図書館経営を展開する事例も見られ, またNPO 間の交流や情報発信が必要との考えも示された。また, 地元書店による図書館運営の事例も増加し, 地域単位の包括的な図書サービスの可能性につながるものとして注目される。
  • ノーマン ジョシュ
    2018 年 50 巻 p. 45-59
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    アメリカ合衆国の学校における学校バウチャーの概念は, 18世紀の終わりごろから存在しているが, 教育方針の議論に影響を及ぼすようになったのはここ数十年のことである。他の先進国と比較して, アメリカ合衆国の標準テストの得点が低いため, 公立学校がきちんとその役目を果してないと考える人が多くなり, 結果として, 学校バウチャーを支持する人が増加してきている。バウチャーの支持者は, バウチャーが学校間の競争を促進することで, 生徒の学力が向上すると確信している。しかしながら, 検討すべき重要な課題の一つは, 競争の促進が教育機会の平等性を真に推し進めるかどうかである。この論文では, 最初に学校バウチャーについて紹介する。その上で, 学校バウチャーが生徒の学力や親の学校選択の自由及び効率性に与える影響について綿密に分析する。そしてこの論文の続編では, 教育の平等性の問題を論じたうえで, アメリカ合衆国において実施されてきた三つの具体的な事例を紹介し, 最後に, 全体の結論と今後の研究の可能性を述べる予定である。
  • 現象学的エスノメソドロジーを中心に
    曽田 裕司
    2018 年 50 巻 p. 61-70
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    ピアノ練習の中で, できなかった箇所がふとできるようになる現象を, 本研究では自然科学で言う「相転移」のアナロジーで捉える。この過程を明らかにすることは, 学習者のその後の練習に示唆を与える。そこで, 練習過程の実際を記述するための方法論として, ここでは日常的行為に潜在する微細な実践的方法を描き出すエスノメソドロジーを用いる。本稿は 事例研究に先立ち, その基盤となりうる理論について考察することにより, 研究対象と理論の適合性について確認することを目的とする。
  • 川﨑 孝明
    2018 年 50 巻 p. 71-81
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    現在, 知的障害者に対する家計管理では日常生活自立支援制度などを活用し, 本人の能力に応じた支援が行われている。しかし, 障害の程度によっては本人の能力を伸ばし, 自ら家計管理ができる支援を行っていくことは重要である。そのため具体的な支援については, 本人との信頼関係構築を前提に定期的なアセスメント, 各専門職で構成する組織的対応が有効である。
  • 社会環境学的検討
    小沢 日美子
    2018 年 50 巻 p. 83-93
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    ヒトの発達過程における行動形成とそのための環境的要因は, 発達段階に応じて理解されることが望ましい。他者理解研究の一つでもある「theory of mind (ToM) : 心の理論」研究は, Premack & Woodruff (1978) の霊長類を対象にした研究に端を発している。そして Wimmer & Perner (1983) が, Dennet (1978) の提起を受け, 幼児に実施した「false belief task」は大変良く知られている。その後, Baron-Cohen (1995) は, 「theory of mind」 の形成の過程について, 「注意共有機構のモジュール」を論じ, 三者関係が社会環境におけるさまざまな情報の認識, また, 社会適応の基盤となるとした。そのため一者関係的認識に基づく「false belief task」の通過は, 「theory of mind」の形成とは同義とは捉えられにくい。たとえば, 成人期における「theory of mind」研究では, 対象者自身が, 「theory of mind」課題の回答の際, すでに前提としていることを把握することが欠かせないと考えられている。したがって, 今後の「theory of mind」の発達的検討でも, 自己―他者―対象との間の関係発達を捉えた社会的環境適応との関連で検討されることが重要になるだろう。
  • 宇野 文重
    2018 年 50 巻 p. 95-108
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では, 明治前期下級審における女性の「雇人」に関する判決44件を素材に, 明治初期の「雇用契約」に対する司法判断について以下のように分析した。訴訟の多くが, 勤務先から逃げ出した被用者の女性に対して使用者側から身柄の取り戻しを求めるものであるが, 裁判所は「人身ノ自由」を奪うことは許されないとして強制的に取り戻すことはできないとし た。女性たちの父や夫の締結した契約は無効とされたが, 債権者に対して金銭賠償の責任は負うとする法理が明治前期下級審ですでに形成されつつあった。
  • 山川 仁子, 天野 成昭
    2018 年 50 巻 p. 109-116
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/11
    ジャーナル オープンアクセス
    屋外における拡声放送の情報伝達精度の向上を目指し, 拡声放送において使用される音声言語の特性を明らかにするための基礎的検討として, スキー場の拡声放送における単語の出現頻度, 単語親密度および音素構成を調べた。その結果, スキー場の拡声放送には, 出現頻度が高いが, 単語親密度が低く, 難聴取音素を含む単語が使用されていた。これらの中には, 滑走上の安全に関わる単語や非常時に使用される単語が含まれていることが明らかになった。
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