尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
Online ISSN : 2423-9313
Print ISSN : 2187-5235
ISSN-L : 2187-5235
51 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 「善行の人」を中心に
    田口 誠一
    2019 年 51 巻 p. 1-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1919年に出版された『十二人の男』はセオドア・ドライサーが個人的に知り合った12人の人物の伝記的なスケッチであると考えられている。彼らは人間として,そして作家としてのドライサーに大きな影響を与えた。この作品の巻頭から2番目のスケッチである「善行の人」は批評家から短編小説としても高く評価されている。「善行の人」ではドライサー自身が登場し,スケッチの主人公であるチャーリー・ポッターに会うインタビュアーという重要な役割を果たしている。この論文では「善行の人」の特徴を明らかにしながら,作品の評価を試みている。
  • 畠山 真一
    2019 年 51 巻 p. 15-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,萌えアニメ作品における「声」と「不気味の谷」の関係を分析し,萌えアニメ作品で実現されているリアリズムがどのようなものであるかを明らかにすることを目的としている。萌えアニメ作品で使用される声は,成熟した女性が少女を擬して発する声であり,少女の声が持つ声質が誇張されていることに特徴がある。本研究は,この特性によって,萌えアニメが陥る可能性がある不気味の谷が回避されると主張する。加えて本研究は,少女の日常を高い精度で描く萌えアニメ作品において現実世界ではまず使用されない言語表現が使用されていることを指摘する。その言語表現は,現実世界で使用された場合,その言語表現を発するキャラクターをマイノリティ(松谷(2012)の言う「不思議ちゃん」)として位置づけるものとして機能すると思われるが,萌えアニメ作品では,そのマイノリティが普通の少女として描きだされている。本研究は,この点に萌えアニメ作品の魔術的リアリズムを見出すことができることを指摘する。
  • スフィアとセレスティアルの観念をめぐって
    曽田 裕司
    2019 年 51 巻 p. 31-43
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    アメリカ超越主義思想家の一人ヘンリー・ソローは,自然において生じる,音を含む多様な事実を緻密に観察し,そのものの有り様を記述した。他方で彼は,天にまつわる観念的な言葉でそれらを捉えることもあった。彼は地上で生み出される豊かな環境音を「スフィア音楽」と呼び,活動後期にはそれを,生の創造を想起させる天上からの神聖な音と感じて「セ レスティアル音楽」と呼んだ。しかし彼の観念的表現は,固定的表象として演繹的に生み出されたものではなく,事象を動的なものとして把捉する精密な観察に基づいて生まれたことに特色があり,とりわけ後期にその精緻さを増した。またこうした観念は,彼自身の個としての生き方や,宇宙における位置づけに関する思索にも結びついた。
  • 民間商業施設との複合整備事例を中心として
    桑原 芳哉
    2019 年 51 巻 p. 45-57
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    2007年以降,中心市街地に民間商業施設との複合施設として整備された公立図書館を対象として,施設の概要,利用状況,併設施設の特徴及び整備の経緯などについて調査を行った。図書館の施設規模としては1,000㎡未満の小規模な図書館の事例が多いが,4,000㎡以上の大規模な図書館を商業施設の上層階に整備する事例もある。併設されている商業施設としてはスーパーマーケットや書店など図書館との親和性が期待できる業種が特徴的である。既存の大型商業施設の撤退・縮小を受けて,空きスペースを活用する形で図書館整備が行われる事例が多く,特に地方都市において商業施設に代わって公立図書館が「集客」の中核施設として期待されている状況が顕著である。
  • 増え続ける台湾修学旅行を事例として
    和田 英穂
    2019 年 51 巻 p. 59-76
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は日本の高校における海外修学旅行の現状と課題について考察し,近年特に増加している台湾を事例とし,その要因を探った。高校の海外修学旅行は国際情勢の影響を受けやすいが,全体としては微増している。地域別では母数の多い関東,近畿の実施校数が多いが,実施率で見ると九州も高く,その地理的要因が影響している。また,訪問国別では中国,韓国,ハワイ,グアム,オーストラリア,シンガポール,マレーシアが多いが,2012年頃からイメージの悪化から中国,韓国は減少し,その分台湾が増加している。台湾の増加は高校の実施条件に合致するだけではなく,台湾イメージの向上が影響している。しかし,学ぶ題材としての台湾は十分に生かされておらず,今後の課題である。
  • 絵本環境に着目して
    片桐 真弓
    2019 年 51 巻 p. 77-91
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    保育をめぐる制度改革がなされる中,公共の教育と福祉の責務を担う仕事として,保育者の専門性が問い直されている。本稿では,保育者の専門性としての保育環境の構成に焦点を当てる。保育現場における絵本環境の位置づけについて述べ,学生に対する質問紙調査を下に,絵本環境の実態と課題について明らかにした。絵本環境は言葉の領域だけでなく,他の領域のねらいや内容も踏まえて位置づけられる必要があり,そのためのさらなる保育環境の研究が求められるといえる。
資料
feedback
Top