妻の職業の有無が家庭生活の食生活にもたらす変化と、それに伴う夫の考え方、将来、夫や妻になりうる男女学生の食生活や家事参加に対する考え方について、1988年、1991年と2回アンケートを実施し、解析した結果を以下に要約する。
今回の調査では、
1. 妻が、常勤者の場合、専業主婦に比較して、調理済み食品の使用度は高く、夫の食生活の満足度は低い。
2. 妻が常勤者の夫は、専業主婦の夫より、家事をこなしているが、意識としては、「仕方ない」気持ちが強い。しかし、妻からみると夫の協力度にはまだ不満足である。
3. 将来の家庭料理作りについては、専業主婦の夫は、常勤者の夫より、「妻がすべて作る」率が高く、惣菜や調理済み食品の利用も「将来使用してほしくない」としており、常勤者との違いがみられる。
4. 将来、夫や妻になる20歳前後の学生は、現在の自分の母親の仕事の有無によって将来に描く家庭状況が影響されており、男子学生の気持ちとしては、「将来の妻には、仕事はもって欲しくない」、女子学生は「たぶん仕事は、持つであろう」という意志が強いと予想できる。しかし、母親が専業主婦の場合は、女子学生の方が、男子学生より「仕事をもつ」意志は弱いとしている。
この結果の一部は、第35回、第38回日本栄養改善学会で発表した。
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