マウスに14種の健康食品を一時的に大量投与したときの肝機能に対する影響を調べた。さらに、健康食品のラット肝薬物代謝酵素に対する影響およびグルタチオンとの反応性について in vitro で検討した。その結果、以下のことが明らかとなった。
1) いずれの試料もマウスに大量経口投与 (5.0g/kg) しても、肝障害の指標となる血漿中のアルカリホスファターゼおよびトランスアミナーゼ活性にはほとんど影響を及ぼさなかった。
2) 1試料において、その水抽出液は in vitro でラット肝のアミノピリンN-デメチラーゼ活性を抑制した。その試料の加熱処理 (100℃) またはTCA添加によりその効果は消失あるいは減弱した。
3) 6試料において in vitro でGSHとの反応性を有する水溶性成分が含まれていることが明らかとなった。
以上のように、今回調べた健康食品の一時的な大量摂取による肝障害は認められなかったものの、健康食品のなかには in vitro で肝薬物代謝酵素系に影響をおよぼすものやGSHとの反応性を有するものがあり、これらについて今後 in vivo での検討が必要である。
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