1. 理容所刈込櫛の細菌汚染は, 拭き取り法によれば, 櫛1個当り一般細菌数 (平均) 1.13×10
4, ブドー球菌数 (平均) 5.49×10.3, 絲状菌数 (平均) 2.95×10, 大腸菌数10以下で, 一般細菌数の大半はブドー球菌で, 大腸菌は殆ど認められない。
2. コアグラーゼ陽性の病原株とみなされるブドー球菌は検査刈込櫛の1.1% (1点), 検査理容所の2.4% (1店) から検出され, 分離株の0.5% (1株) に検出された。
3. 刈込櫛の一般細菌数とブドー球菌数の間には高度の相関を認めた。
4. 理容業者のクレゾール若しくは紫外線で消毒したと称する消毒櫛と未消毒櫛の細菌数 (一般細菌数, ブドー球菌数, 絲状菌数) の間には, 統計学的有意差はなく, 理容所における櫛消毒並びにその取扱いの実態は不完全且つ不徹底である。
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