水質汚濁物質モデルとしてのフェノール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (DBS) およびトリメチルベンジルアンモニウムクロライド (TMBAC) の活性炭への吸着挙動について、種々の吸着温度において検討した。
吸着温度が高くなるにつれてフェノール、DBSおよびTMBAC吸着量は減少した。また高吸着量領域においては、吸着温度の影響が小さく、一方、吸着量が低値である領域においては温度の影響が大であることが認められた。さらにフェノールやTMBACは、平均細孔半径がより小さい活性炭に、より多く吸着された。
水道水の高度処理といった希薄水溶液からの吸着による処理効率は、吸着温度が低いほど良好であること、また比較的高濃度排水の処理や吸着されやすい物質の除去においては、活性炭の吸着能に対する吸着温度の影響は、あまり考慮しなくてもよいことが示唆され、本研究から水処理に関するプロセス設計において有用な知見が得られた。
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