大阪市において芳香族炭化水素 (Benzo (a) pyrene) の1967年から1994年までの推移と用途地域別分布について検討した。1967年当時工業地域において月平均最高値70ng/m
3、商業地域40ng/m
3、住居地域25ng/m
3であったものが10年後には全ての地域で10ng/m
3以下になり、25年後にはそれぞれ1.9、1.6、2.6ng/m
3となった。これらの汚染の低減化は大気汚染防止法施行によるエネルギーの転換と同時に、公害防除施設の普及、燃焼管理の効果の発現などの結果と考えられる。また1991~1994年の平均値ではそれぞれ1.0、0.8、1.0ng/m
3となった。自動車排ガスモニタリングステーションでは1.4ng/m
3の値を示し、他地域の1.5倍の値であり、Benzo (a) pyrene 濃度と自動車排出物との関連が示唆された。
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