日本生気象学会雑誌
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19 巻, 2 号
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  • 丹羽 健市, 緑川 知子, 中山 昭雄
    1982 年 19 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    寒冷に対する体温調節反応の男女の違いをら明かにするため, 健康な男女大学生 (運動鍛練者) を対象に, 体温日周変動の体温上昇期 (9: 00~12: 00) に1時間の寒冷暴露 (10℃) を行い, その際の代謝, 体熱量の変化, 輻射および対流ならびに蒸発による熱放散を算出し, 熱平衡の側面から定量的な検討を加えた。得られた結果は以下の通りである。
    1) 熱産生量は女子に比して男子の方が8~12%大で, 特に, その傾向は暴露40分以降に認められた。
    2) ふるえは男子で12名中9名に, 女子では6名中3名に認められた。ふるえの回数は時間経過に伴って増大がみられるが, 男女差は認められなかった。ふるえ持続時間は女子に比して男子で大で, 特に, 暴露40分以降に認められた。同一平均皮膚温に対するふるえ持続時間は女子に比して男子の方が大で, 特に, 27.5℃を境に著明に増大した。
    3) 蒸発による熱放散は男女間に差異は認みられないが, 間接的に算出した輻射ならびに対流による熱放散は女子に比して男子の方が平均24%大であった。
    4) 体熱量は女子に比して男子の方が48~52%大きい負の値を示した。
    5) 末梢組織コンダクタンスは女子に比して男子の方が平均18%高い値を示した。
  • (第一報) 寒冷血管反応の同一個体における再現性の検討
    鈴木 路子, 木村 康一
    1982 年 19 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    In order to research a method of local tolerance test for thermal adaptability of children, we should try to analyze indices of cold induced vasodilatation at the point of the individual reliability by inducing into three different cold water temperature, 10°C, 5°C and 0°C, for 10 min under the unregulated room temperature. Subjects were two male students (22 years old) . One of them whose native place was Fukushima prefecture and subjective cold tolerance was relatively stronger. The other's Nagasaki prefecture, and whose subjective cold tolerance was not stronger and caught a cold frequently in winter. Major results obatined were as follows. 1) The severer the cold water stress became, the more the individual reliability of indices was revealed. 2) It was recognized that 0°C of water temperature was the most reliable, but if heat conductance of body were increased, it will be unnecessary so cold water stress. 3) The habituation of cold stress was not found. 4) MST and recovery temperature were not suitable indices under the short stress time of 10 min. 5) The different reliability was found between two subjects. One of them whose native place was Fukushima prefecture and whose subjective cold tolerance was stronger showed the reliable indices of CIVD than the other.
  • (第1報) 寒冷血管反応の年齢差, 性差, 地域差, 学校の建築様式差について
    鈴木 路子, 木村 康一
    1982 年 19 巻 2 号 p. 88-95
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    青森, 東京, 山梨, 宮崎の4地域, 12か所の保育所, 幼稚園, 小学校の2~11歳の小児349名を対象に局所寒冷血管反応テストを試行し, 年齢差を中心に検討した結果, 以下に示す知見が得られた。
    1) 2~11歳児における寒冷血管反応には年齢差が存在し, 加齢とともに反応は減弱化する傾向が認められた。
    2) 地域差, 性差, 学校の建築様式差の寒冷血管反応への寄与度は極めて小さい。
    3) 小児における寒冷血管反応の加齢にともなう減弱化傾向は, 血管反応の拡張・収縮を支配する自律神経の緊張状態が加齢とともに副交感神経優位状態から交感神経優位状態に移行するという事実と一致する。
    4) 小児にける寒冷血管反応は, 寒さに対する慣れという視点で局所性耐寒性を評価する指標としてのみ用いるのは不適切で, 自律神経系の発達指標としての役割が同時に介在していることを今回の一連の研究結果から見い出されるに至った。さらに詳細な検討は今後の課題としたい。
  • 木村 武登, 志村 正子, 三浦 悌二
    1982 年 19 巻 2 号 p. 96-99
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    精神神経科疾患患者と一般出生人口の出生季節分布を1861年から1970年までの10年毎に比較した。患者分布の対照からの偏りの程度はカイ自乗値で表わし, 温度の季節による変動の程度は毎年の月間平均日最高気温の年最大値から月間平均日最低気温の年最小値を引いた値で表わして, 両者の関連性を検討した。
    患者の出生季節分布の対照からの偏りは, 1880年代, 1920年代そして1940年代で大きく, 躁うつ病, てんかん, アルコール中毒, 梅毒でこの傾向がみられた。一方, 温度差の変動の程度もほぼ同時代で大きく, 出生季節分布における年代変動と温度差の年代変動は一致するように思われた。
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