日本生気象学会雑誌
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25 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高木 健太郎
    1988 年 25 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 菅井 清美, 中島 利誠
    1988 年 25 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    衣服を通しての皮膚から環境への熱と水分の移動は, 着用快適性に関係がある.被服材料の特性がこれらの移動に及ぼす影響を検討するために, 綿とポリエステルの2層構造からなる複合素材を用いて, シャツとズボンを作製した.それらは, 右半身と左半身に分けて同時に2種類の素材が着用できるようにした.被験者は23.2℃, 10.4mmHg (水蒸気圧) , 0.1m/secの人工気候室で, 最大酸素摂取量の約65%のトレッドミルによる運動を10分間行った.
    口腔温と平均皮膚温は, 肌側にポリエステルを着用したときのほうが綿の場合より高く, 体重減少量も大きかった.身体左右に同じ素材の衣服を着用したときの身体左右の生理学的差は, 衣服内では身体右側の温度, 湿度が左側より高く, 衣服上では逆の結果がみられた.これは身体左右の形状の差やあるいは動き方の差による皮膚と衣期間の微気候が影響していると思われる.身体片側での熱と水分の移動における衣服素材の効果では, 肌側に綿を着用した場合に運動後の温度低下がポリエステルの場合よりも遅く, 大きく, 綿のより高い水分収着機能によるものと考えられる.同じ傾向が湿度でもみられた.
  • 堀越 哲美, 辻本 信子
    1988 年 25 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    都市の高層集合住宅と低層の長屋における室内環境調節の実態を明らかにするために, 大阪市とその近郊12地点で環境調節法のアンケート調査と日除けと他の調節装置に関する観察を行った.収集されたデータを記述し, 林の数量化III類を用いて分析した.居住者は, いろいろな手法の組合せを用いて夏を過しているが, その手法は, たとえば, 通風, 扇風機, クーラー, 建具や敷物の変更などで, クーラーと簾の利用は, 都心部の住宅より郊外の住宅で少ない.これらの手法は, 場所によって異なり, 調査地区は, 居住者による暑い気候を調節する手法に従って4つのグループに分類できる.
  • 小林 康人, 高山 昇二郎, 宮崎 良文, 仙頭 正四郎, 高野 健人
    1988 年 25 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    寒冷曝露 (4℃) によるチトクロームP-450の肝臓組織内分布の変化について, 抗ラットPB-P-450家兎血清を用いて免疫組織学的に検討した.
    PB-P-450を多く含む肝細胞は, 24℃飼育ラットでは肝小葉内中心静脈の周囲に局在していたが, 寒冷曝露4週間ラットでは肝小葉全体に分布していた.この曝露4週群におけるPB-P-450陽性細胞において, その反応は強陽性であり, 細胞質内のPB-P-450陽性顆粒も, 対照群に比べ密に認められた.寒冷曝露3週間ラットではPB-P-450分布は中間的な変化を示し, 寒冷曝露1, 2週間ラットでは, 24℃飼育ラットと比べ免疫組織学的に有意な変化は認められなかった.
    寒冷曝露4週間ラットでは生化学的方法にて測定されるアミノピリン代謝速度の上昇を認め, この結果はPB-P-450陽性の肝細胞数の増加, 細胞内のPB-P-450陽性顆粒の密度の増加と対応しているものと考えられた.
  • 相原 弼徳, 相原 まり子, 山田 久郎
    1988 年 25 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    家兎を腹臥位に固定して足の方から水中に浸漬し, 水温を調節して種々の寒冷刺激を加え, 体温下降の型によってつぎの4群を設定し検討を行った.
    急冷死亡群は体温を速やかに下降させてできるだけ速く死に至らしめ, 緩冷死亡群は死に至るまで継続的に徐々に下降させ, 定温死亡群は比較的速やかに下降させた後, 死に至るまで18℃前後に維持させ, 長冷死亡群は, きわめて徐々に下降させた後, 20℃前後でできるだけ長く生存させた結果,
    1) 家兎は直腸温13~19℃で死亡した.
    2) 心拍数および呼吸数は直腸温低下に伴い減少を示すが, なかには一時的に増強を示すものも見られた.またCheyne-Stokes呼吸が始まると30分くらいで死亡する.
    3) 振戦は浸漬後10~25分で直腸温33~38℃に始まり, 直腸温25~28℃にもっとも強く出現する傾向が認められた.
    4) 直腸温が20℃まで下降すると, 角膜反射は減弱し15~30分後には死亡する.
    5) 全身状態は直腸温20~30℃の時に増悪するが, とくに20℃以下になるといっそう著明になる.以上の成績より, 各種環境下で直腸温20~30℃を境にして著明に全身状態が悪化する.
  • 薩田 清明
    1988 年 25 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    インフルエンザの流行と気象との関係を解析するために, 1976~1985年までの9回の冬の流行について, 北海道, 東京, 大阪, 島根, 福岡の週別インフルエンザ患者発生数のピークと11~3月の5か月間の月別の平均気温, 平均相対湿度との関係について検討した.
    1.北海道地域を除く4地域では, 流行のピーク週が1978~1979年の流行を除き1月下旬~2月下旬の間に認められ, 1月または2月の平均相対湿度がもっとも低い場合が多かった.
    2.北海道でのピーク週は若干遅く2月上旬~3月上旬に認められ, 同地域の平均相対湿度は3月が11月についで2番目に低いことが多かった.
    3.1978~1979年の流行ではピーク週は5地域ともに3月に入ってから認められたが, この冬には3月の平均相対湿度が4地域ではもっとも低く, 北海道では2番目に低かった.
    4.以上のように, 相対湿度の低い1~2月は気温ももっとも低く, 室内環境は暖房も入り閉鎖的になり, いっそう低相対湿度環境を招き, インフルエンザの流行にもっとも都合のよい環境条件となるのがインフルエンザ流行の理由であろう.
  • 堀越 哲美, 奥城 靖子
    1988 年 25 巻 1 号 p. 43-47
    発行日: 1988/04/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    パーソナルコンピュータを用いた, 温熱環境の新しい測定器が, 温熱条件の測定, 温熱指標の計算, そして暖冷房装置の制御を行うために開発された.パーソナルコンピュータ, 自作インターフェース, ディジタルマルチメーターと熱電対・湿度センサ・黒塗加熱および非加熱円筒のセンサー類で構成され, 測定と制御の手順は以下の通りである.温熱条件が測定され, その信号はディジタルマルチメータとインターフェースボードを介してコンピュータへ送られる.コンピュータでは, 制御信号が, 熱的快適性に相当する修正湿り作用温度を維持するよう, 熱の加減の計算に基づいて決定される.
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