日本生気象学会雑誌
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25 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高須 謙一
    1988 年 25 巻 2 号 p. 59
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 堀越 哲美, 小林 陽太郎, 土川 忠浩, 平山 慶太郎, 蔵澄 美仁
    1988 年 25 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    熱的過渡状態での温冷感と快適感の関係を調べるため椅座位の青年男子5人が, 気温23℃に1時間暴露後に90分間気温15, 18, 23, 25, 30℃に暴露された結果, (1) 気温と温冷感の関係では, 5分暴露と90分暴露の間に差異は観察されなかった.しかし, 温冷感申告と快適感申告との関係では, 暴露時間の差があった. (2) 気温の急変時, 温冷感の変化は快適感の変化より大きい.しかし, 気温変化後の一定気温の暴露時間中には, 快適感の変化の方が温冷感の変化よりも大きい. (3) 被験者は, もっとも快適な申告をした時, 熱的中性よりも暖い感覚を申告している.これは, 実験が冬に行われたためである.
  • 牧野 国義
    1988 年 25 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    1952年から1981年までの東京都における高血圧性疾患 (HTD) , 心疾患 (HD) , 脳血管疾患 (CD) , 肺炎・気管支炎 (PB) , 肝硬変 (LC) , 老衰 (SN) , 1980年, 1981年の性別, 2年齢層 (0~69歳, 70~歳) のLCを含む肝疾患 (LD) , 虚血性心疾患 (IHD) , 脳出血 (CH) , 脳梗塞 (CI) について2年ごとに区分した15期間での死亡と気象条件との相関や回帰分析の結果, HTD, HD, CD, SN死亡はどの期間でも気温と密接に関連した, しかし, 後半の期間にはPB死亡と気温との相関が減少し, 直線回帰の勾配も緩やかになった.一方, 15期間のLC死亡の相関や回帰の動きはPB死亡の結果と反対であった.気温上昇期の3~6月と下降期の9~12月の死亡率を1972~1981年の10年間の月別死亡率で比較すると, HTD, PB, SNは前者が高死亡率の結果を示した.「冬季危険度」は冬季の死亡の危険性を数量化する指標として定義され, 第1に, 上記の多くの死亡の冬季危険度は1952年から1981年の間にはっきり減少した.第2に, 一般的に冬季危険度は若年齢層よりも高年齢層で高く, 死因のうちではHTDとSN死亡の高いことが観察された.しかし, 性別では死因によって異なった.
  • 牧野 国義
    1988 年 25 巻 2 号 p. 79-88
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    1980年1月1日から1981年12月31日までの東京都における9主要死因の日死亡数への気象条件の影響を検討した.
    1. 季節別の相関分析によると, ほとんどの死因の死亡はTmin (最低気温) ととくに高年齢層 (70~歳) で春には負の, 夏には正の有意の相関があったが, 冬には気象条件と有意に相関しなかった.
    2. 春には, その日のTminが前週平均値よりも増加すると, 高年齢層の脳血管疾患の死亡数が増加した.
    3. 気温が上昇する期間 (3~6月) と下降する期間 (9~12月) とでは同じ気温でも日死亡数は同一でなく, とくに肺炎・気管支炎死亡は前者の方が死亡数が多く認められた.
    4. Tminと日死亡数との間のタイムラグ (日) は, 夏の死亡はタイムラグがないが, 他の季節には数日のタイムラグが推察された.冬の死亡はTminとは関連しないが2, 3日前のTminと有意の関連があった.死亡数増加への高温蓄積効果は女にみられ, 低温の蓄積効果は男にわずかにみられた.
    5. 気象条件の影響を受ける在宅死亡の割合は大きくないが, 死亡の日変動は全場所死亡と密接に関連した.
  • 阪本 知子, 安田 好文
    1988 年 25 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    局所耐寒性における年齢差, 性差を検討するために, 寒冷血管反応テストおよびしもやけ罹患率の調査を行った.寒冷血管反応テストでは, 5℃に調節された恒温水槽内に右手人差指を12分または15分間浸潰させて指端部の温度変化を測定し, 寒冷血管反応発現時間 (TTR) , 寒冷血管反応発現温度 (TFR) , 寒冷血管反応幅 (AT) , および浸漬中の最高皮膚温 (HST) を算出した.男子では, 4~5歳児と10~11歳児との間のすべてのパラメータに有意の差が認められ, 10~11歳児と13~14歳児との間にはTFR, 13~14歳児と16~17歳児との間には, TTR, AT, HSTに有意の差が認められた.しかし, 16~17歳児と老人との間には差は認められなかった.女子では, 4~5歳児と10~11歳児間には, 男子同様すべてに有意の差が認められたが, 10~11歳児と13~14歳児間, および13~14歳児と16~17歳児間には, ATを除き有意の差は認められなかった.16~17歳児と老人との間にはAT, HSTに有意の差が認められた.性差については, 16~17歳児のTTR, AT, HSTにのみ有意の差が認められた.
    一方, 4~17歳児, 延べ1198人を対象に, しもやけ罹患に関するアンケート調査を実施した.4~5歳の罹患率は, 男女ともおよそ30%, 6~7歳児の罹患率は2倍に増加し, その後, 男子では年齢に伴い減少したが, 女子では有意の変化は認められなかった.そのため16~17歳児において有意の性差が認められた.しもやけ罹患で認められたこれらの傾向は, 寒冷血管反応の年齢変化, ならびに性差と同様の傾向であった.
  • 江頭 和道, 阿部 和彦
    1988 年 25 巻 2 号 p. 97-109
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    自殺の季節変動は, 古い年代では多くの国においてピークが初夏 (6月) にみられた.日本では1900-09~1920-29には, 自殺のピークは5月と7月 (7月が高値) で, 6月の陥凹は, 梅雨と関係していると思われる.一般に年代とともに季節変動の大きさが減少し, ピーク月は早い方 (4月) へ移動していた.
    日本では, 寒冷期 (11-2月) の自殺率の増加に対応して, 自殺の季節変動量が低下していた.自殺の季節変動量 (S) と寒冷期の自殺が年間全自殺に占める割合 (△) との間には, 直線的な関係が観測され, ある仮定の自殺の季節変動 (ピークが5-6月, 谷が12-1月, その間は直線的に変化) に基づいて導出されるSと△との直線関係式によってよく説明された.多くの国の自殺の季節変動量は, このモデル直線に沿って年代とともに減少し, 生活水準が高い国ほど, 季節変動量は小さい.各国の自殺の季節変動は, ナーストラリアを除き同じ過程を経て年代的変化をしていたが, その変化の速度は国によって異なった.
  • 大野 都美恵
    1988 年 25 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 1988/08/01
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    寒冷および暑熱馴化ラットで血中過酸化脂質 (LP) , 遊離脂肪酸 (FFA) , β-ヒドロキシ酪酸濃度を測定した.寒冷馴化ラットではFFAが寒冷暴露2週後に高かったが, 4週後には温暖対照ラットと差がみられなくなった.β-ヒドロキシ酪酸も同様の変化を示した.LPは有意の変化を示さなかった.暑熱馴化ラットではFFAが2, 4週後とも低値を示したが, β-ヒドロキシ酪酸には有意の変化がみられなかった.LPはFFA同様に2, 4週後とも低値を示した.
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