局所耐寒性における年齢差, 性差を検討するために, 寒冷血管反応テストおよびしもやけ罹患率の調査を行った.寒冷血管反応テストでは, 5℃に調節された恒温水槽内に右手人差指を12分または15分間浸潰させて指端部の温度変化を測定し, 寒冷血管反応発現時間 (TTR) , 寒冷血管反応発現温度 (TFR) , 寒冷血管反応幅 (AT) , および浸漬中の最高皮膚温 (HST) を算出した.男子では, 4~5歳児と10~11歳児との間のすべてのパラメータに有意の差が認められ, 10~11歳児と13~14歳児との間にはTFR, 13~14歳児と16~17歳児との間には, TTR, AT, HSTに有意の差が認められた.しかし, 16~17歳児と老人との間には差は認められなかった.女子では, 4~5歳児と10~11歳児間には, 男子同様すべてに有意の差が認められたが, 10~11歳児と13~14歳児間, および13~14歳児と16~17歳児間には, ATを除き有意の差は認められなかった.16~17歳児と老人との間にはAT, HSTに有意の差が認められた.性差については, 16~17歳児のTTR, AT, HSTにのみ有意の差が認められた.
一方, 4~17歳児, 延べ1198人を対象に, しもやけ罹患に関するアンケート調査を実施した.4~5歳の罹患率は, 男女ともおよそ30%, 6~7歳児の罹患率は2倍に増加し, その後, 男子では年齢に伴い減少したが, 女子では有意の変化は認められなかった.そのため16~17歳児において有意の性差が認められた.しもやけ罹患で認められたこれらの傾向は, 寒冷血管反応の年齢変化, ならびに性差と同様の傾向であった.
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