日本生気象学会雑誌
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42 巻, 4 号
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Original Articles
  • ―住宅種別,年齢層別による違いに関する考察―
    大和 義昭, 松原 斎樹, 藏澄 美仁
    2005 年 42 巻 4 号 p. 111-122
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/18
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,京都市近辺地域の住宅を対象にして夏期の室内における居住者の休息姿勢の住宅種別,年齢層別による違いを明らかにすることである.男性では,60歳代までは年齢が上がるにしたがって臥位が増加し,平座位と椅座位が減少した.また,RC集合と非断熱戸建で椅座位が最少で,太陽熱利用で平座位はほとんどみられなかった.女性では,全年齢層で平座位が最多であった.30歳以上では臥位と椅座位が増加し,平座位が減少した.RC集合は平座位が,断熱戸建は椅座位が多かった.非断熱戸建と太陽熱利用は臥位と平座位が多くの割合を占めた.年齢による姿勢の違いがあった.男女とも年齢が高いほど涼しさを求めて姿勢を決めており,姿勢選択の体温調節行動の面が示された.住宅種別の断熱・気密性能による姿勢選択の違いは見られなかった.住宅種別による姿勢の違いは,床面仕上げによる影響と考えられる.
  • ―住宅種別,年齢層別による違いに関する考察―
    大和 義昭, 松原 斎樹, 藏澄 美仁
    2005 年 42 巻 4 号 p. 123-135
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/18
    ジャーナル フリー
    冬期に京都市近辺地域の住宅を対象にして居住者の年齢や住宅種別による居間での姿勢の違いについて調査した.男性では,10歳未満では平座位が最多であったが,60歳代までは年齢が上がるにつれて臥位が多くなった.「RC集合」では,70歳以上を除いて,大部分が臥位と平座位で,「断熱戸建」では椅座位の割合が大きかった.女性では,全年齢層で平座位が最多であった.30歳未満では臥位の割合も大きかった.年齢が高くなるにつれて臥位の割合は小さくなり,椅座位が大きくなった.「RC集合」では,70歳以上を除いて,大部分が臥位や平座位であった.「断熱戸建」では椅座位の割合が大きく,「非断熱戸建」では臥位の割合が全体の平均より大きかった.居間の室温が低いためこたつやホットカーペット,床暖房を使用している住宅が多かった.これらの暖房器具からの熱取得量が増大する臥位や平座位が大きな割合を占めたことから,姿勢選択の体温調節行動的な側面が示された.
  • ―とくに水分補給の面から―
    樫村 修生, 中井 誠一
    2005 年 42 巻 4 号 p. 137-144
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/18
    ジャーナル フリー
    研究目的は,中年ランナーにおける夏季ランニング時の体重減少,体温および脈拍数について,水分摂取の面から実態調査することである.被験者は,定期的にランニングをする年齢40歳から55歳男性の8人を用い,体重減少,体温上昇,脈拍数および環境温度を,早朝約60分間のランニング時に測定した.実験は,ランニング時に水分を摂取した場合としなかった場合で実施した.WBGTは,平均29.4±0.5℃であった.水分補給によって,体重減少率(発汗量に等しい)は増大し,鼓膜温度の上昇量は減少した.水分摂取量と鼓膜温の上昇の間には,負の相関関係があった.同WBGTに対して,体重減少は,水分補給なしより補給ありの方が有意に多く,同鼓膜温上昇に対して,体重減少は水分補給なしより補給ありの方が多かった.同じ平均脈拍数に対して,体重減少率は水分補給なしより補給ありの方が大きかった.以上の説明から,中年のランナーの夏季のランニングは,暑熱環境とはげしい運動負荷によって暑熱障害を生じ易いことが示され,そして,その障害を予防するために水分を補給することが重要であった.
  • 侘美 靖, 森谷 きよし
    2005 年 42 巻 4 号 p. 145-157
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,中高年者が多数参加し,2月から約4ヶ月間にわたって週2回の踊り練習を継続する北海道のYOSAKOIソーランチームを対象に,踊りの運動強度としての心拍数(HR)と腰部位の合成加速度,また踊り練習への参加による運動量や体力向上を検討した.中年踊り子の演舞時HR最高値が180拍/分を超えるほど踊りの運動強度は高く,HRと腰部位加速度値は正相関していた.また,演舞中HR最高値は,練習時に比べ祭り時は20拍/分ほど高くなる場合もあり,緊張感と気象条件の影響が推察された.被験者NR(50歳女性)の練習日の1日当たりの歩数と運動によるエネルギー消費量は,非練習日に比べ有意に増加した.YOSAKOIソーラン祭り参加者の体力レベルは,約4ヶ月の間に改善していた.YOSAKOIソーラン踊り練習と祭りへの参加により,冬期に運動不足になりがちな寒冷地域に住む人々の健康増進に効果のあることが示唆された.
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