日本生気象学会雑誌
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45 巻, 1 号
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原著
  • 橋本 剛, 堀越 哲美, 鈴木 健次
    2008 年 45 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/13
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,河川とその両岸での地形的な特徴の違いが海風の構造に及ぼす影響について把握することである.調査対象河川として愛知県の境川を選定し,境川の上流 5~7 km 付近における小気候観測を 2002 年の夏季に行った.境川は尾張地域と三河地域の境をなす河川であり,境川の両岸にはそれぞれ地形的な特徴の異なる段丘面が形成されている.小気候観測の結果,夏季晴天日の日中において,平坦な平野が広がる境川左岸では海風が強く,海風による暑熱環境の緩和効果が現れることを示した.一方,丘陵地を背後に控え,2 段の河岸段丘面が形成されている境川右岸では海風が弱く,海風による暑熱環境の緩和効果が現れにくいことを,観測結果に基づいて示した.河川周辺,平坦な平野が広がる左岸と,2 段の河岸段丘を形成し背後が丘陵地となっている右岸とでは,それぞれの小地形の影響により海風の状態とその暑熱環境に対する緩和効果が異なることが明らかになった.
  • 堀 清和, 南 哲, 堀 清記
    2008 年 45 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/06/13
    ジャーナル フリー
    この研究では高齢者の音,光刺激の共感覚が心拍変動に及ぼす影響を青年と比較して解析した.健康な男性高齢者 10 名と女性高齢者 12 名の被験者は,閉眼で椅子に座り,異なる 9 種の 60 db の音を聴いた.音の聴取前,聴取中,聴取後の心電図の R-R 間隔を連続的に記録した.その後,開眼で同じ実験を行った.心拍の周期変動の周波数成分のパワースペクトル解析により,低周波(LF)成分と高周波成分(HF)を解析した.LF,HF はそれぞれ 0.04~0.15 Hz,0.15~0.40 Hz とした.LF/HF の値は,閉眼時は開眼時より小さく,閉眼時では女性の方が男性より小さい傾向にあった.HF の値は,閉眼時は開眼時より大きい傾向を示した.高齢者の音刺激聴取時の交感神経活動は光刺激を除くと減少し,音刺激聴取時の副交感神経活動は光刺激のない条件で大きくなる傾向にあった.開眼時では交感神経活動は女性の方が男性より小さい傾向を示した.青年と比較すると,高齢者の副交感神経活動は有意に減少し,交感神経活動は減少する傾向を示した.
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