中年男性における骨量指標の季節変動の存在とその他の変動要因を検討することを目的とした.
被験者は著者 1 名であった.56 歳から 63 歳までの 7 年間,定量的超音波法による右足踵骨の骨評価パラメータと体重測定を毎週1回,歩数を毎日測定した.骨評価パラメータである OSI,TI,SOS に対する全天日射量,歩数,体重の相関を検討した後に,OSI,TI,SOS を従属変数とし,全天日射量,歩数,年齢を独立変数とした重回帰分析を実施し,次の結果を得た.
(1)骨評価パラメータは全天日射量の季節変動に伴った季節変動をした.
(2)中高年男性の骨評価パラメータ OSI の分散の 65%は全天日射量,歩数,加齢により説明された.
(3)全天日射量と加齢は TI に強く影響し,歩数は SOS により強く影響した.加齢は SOS には影響しなかった.
(4)全天日射量と歩数の骨に対する影響はそれぞれ 3ヶ月後,5ヶ月後に強く現れた.
加齢に伴う骨量指標の減少は日光浴の増加や歩数の増加により抑制される可能性がある.
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