経営資源として, ヒト, モノ, カネに続き「知識」の重要性が顕在化している。とりわけ製造業の経営活動においては知識の維持/継承とともに, 知識による新たな付加価値の創造が重要な課題となっている。一方, 知識と類似した概念としてとしてデータ, 情報という語句が用いられるが, これら三者の明確な定義が存在しているわけではない。知識を経営資源として戦略的に取り扱う場合に, データ, 情報, 知識という概念を明確に定義し, モデル化することは重要な課題である。本論ではデータ/情報/知識をn次元空間における座標/位置ベクトル/曲面にそれぞれ対応させ, 数式を用いて三者の概念をモデル化し, 知識とは何かという本質的な課題につき考察する。さらに, 本モデルに基づき, 知識の維持・継承, 創造のための戦略的な知識マネジメント手法を論考し, 提案する。
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