生産研究
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59 巻, 6 号
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プロダクションテクノロジー研究会
特集に際して
研究解説
  • 帯川 利之
    2007 年 59 巻 6 号 p. 471-476
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/05
    ジャーナル フリー
     切削の高速化・超高速化は,切削加工技術の最も重要な課題のひとつである.しかし長年に亘る研究によっても,従来の理論では解釈の困難な現象が存在する.本稿ではこれらの中から二つのトピックスを取り上げ解説した.最初のトピックスは,高速化によって一定の速度まで工具寿命が改善される現象に関するものであり,そのメカニズムを摩耗機構の切削速度依存性により明らかにした.二番目のトピックスは,いわゆる塑性波より速い速度で切削する場合の超高速切削機構である.塑性波は,刃先付近の静水圧が高まることにより,超高速切削速度に追随できることを理論的に示すとともに,有限要素シミュレーションによりこれを実証した.
  • 柳本 潤, 杉山 澄雄, 劉 金山, 柳田 明
    2007 年 59 巻 6 号 p. 477-482
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/05
    ジャーナル フリー
     本稿では,鉄鋼材料の熱間強加工後の超微細結晶組織を予測する解析モデルについて解説する.はじめに,解析モデルの概要について説明し,次に,熱間強加工後のフェライト結晶粒の大きさならびに体積率などを多段圧縮実験により求め,解析モデルによって求めた結果と比較する.これらの解析ならびに実験結果を通して,鉄鋼材料のオーステナイト組織から形成される熱間強加工後のフェライト結晶組織予測の妥当性について検証する.
  • 横井 秀俊
    2007 年 59 巻 6 号 p. 483-491
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/05
    ジャーナル フリー
     金型内充填時間が30ms以下という超高速射出成形法は,超薄肉部品の成形を中心としてすでに世の中で広く用いられる技術となっている.同技術に代表される超高速の金型内成形現象を解明するためには,既存の可視化・計測技術では適用が困難であり,より高い時間・空間解像度,高耐圧の金型構造の実現など,新たな技術開発が必要となっていた.本稿では,金型内可視化技術の発展について概説するとともに,著者らの研究グループが過去7年間にわたり,超高速射出成形現象の実験解析を目的として開発してきた新規の可視化・計測技術を紹介し,適用事例に基づきそれぞれの可能性について解説する.
  • 新野 俊樹, 成毛 宏道, 大泉 俊輔, 酒井 康行, 黄 紅雲
    2007 年 59 巻 6 号 p. 492-499
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/05
    ジャーナル フリー
     肝などの代謝速度が速い臓器の再構築を目指した担体が試作され,試験された.ポリカプロラクトン(PCL)パウダと食塩を混合した粉末を用いて担体形状を粉末焼結積層造形し,その後この造形物を水洗することによって食塩を溶出し90%の高い空孔率が得られた.担体内部には微細流路ネットワークが配置されており,マイクロCT観察により,流路の最小径は1mm以下であり,流路のつまりはないことが確認された.完成した担体中の残留食塩量はきわめて小さく,残留食塩による培養メディアの濃度上昇は,生理食塩水の濃度のたかだか1%であることが確認された.水溶性の無機フィラを大量に用いることにより余剰焼結が増大したが,この主な原因はフィラによって熱伝導が促進されてことによることが示された.この担体を用いた培養結果についても報告されている.
研究速報
正誤表
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