生産研究
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61 巻, 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
特集 工学とバイオ
特集に際して
研究解説
  • 火原 彰秀
    2009 年 61 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     幅が1mm以下のナノ流路を用いた化学・バイオ分析集積化のために必要な流体制御技術の開発について解説する.ナノ流体化学システムにおいては, 極低流量の安定送液を比較的高い圧力で実現する必要がある.この条件を満たす手法として, 背圧調整法と空気圧調整法を紹介する.また, これらの基盤技術を用いた単純な混合反応の実験例をあわせて紹介する.
  • 石井 和之
    2009 年 61 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     固体中におけるフタロシアニン(Pc)間のp-p相互作用は, 光伝導体として実用される伝導性を誘起するが, それは単量体的光化学特性(シャープなQ吸収帯, 強い蛍光, 一重項酸素(1Dg)生成能)を減ずる欠点も有する.本解説では, 単量体的光化学特性と高い一重項酸素生成能, 両方を有するシリカゲル担持Pcを合成する最近の方法について述べる.特に, 磁性シリカゲル担持Pcは磁石で集めることが可能な一重項酸素生成剤として働く.
  • 中野 公彦, 内山 城司, 斎藤 俊, 藤井 正美, 鈴木 倫保
    2009 年 61 巻 2 号 p. 87-90
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     異常脳波が発生し, それが伝搬することによって意識の欠如や発作を引き起こす“てんかん”と呼ばれる慢性の脳疾患があるが, その発生部位を冷却することにより, 異常脳波が消え, 発作も治まることが知られている.著者らは, 動物実験を行い, 熱電素子を用いて脳表を冷却することにより, 異常脳波が抑制されることを示している.今後, 本手法を効率的に開発するためは, 冷却性能を推定できるような数値計算を行う必要がある.熱電素子によって大脳皮質を冷却した時の熱伝導現象を数値計算によって解析した.動物実験の結果と比較し, その妥当性を示した.
  • 小林 徹也
    2009 年 61 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     バイオイメージング技術の急速な発展を背景に, 生命科学研究の最前線の一つとして, 定量的なデータ・解析に基づきミクロな生命現象のダイナミクスを理解する研究領域が顕在化しつつある.本解説では我々の研究を例として取り上げつつ, 定量的な生命科学研究において工学・情報・数理が果たす役割と研究領域の今後の展望を示す.
  • 河野 崇, 合原 一幸
    2009 年 61 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     神経細胞の電気生理学的機能を再現する電子回路をシリコンニューロンと呼ぶ.シリコンニューロンを, シナプスの電気生理学的機能を再現するシリコンシナプスによって相互接続したシリコンニューラルネットワークを構築し, 脳神経系の優れた特性をとりこんだシステムを実現することが究極の目標である.このためには神経細胞の特性を可能な限りシンプルかつ低消費電力な回路で再現する必要がある.神経細胞の電気的挙動を表現したイオンコンダクタンスモデルをアナログ電子回路を用いてリアルタイムに解くことで神経細胞モデルの挙動を非常によく再現できることが示されているが, この手法では脂質とタンパク質のモデルである神経細胞モデルと電子回路の特性との相性により回路のシンプル化, 低消費電力化などに限界がある.我々は数理的知識を積極的に用いることにより, この問題を解決する設計手法を提案し, シリコンニューロンチップを試作した.
  • 湯川 英宜, 平野 敏行, 西村 康幸, 佐藤 文俊
    2009 年 61 巻 2 号 p. 103-110
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     タンパク質の構造や機能を解析する上で, 長距離で働く静電相互作用は極めて重要な力の一つである.近年, タンパク質の全電子波動関数が計算できるようになり, これから正確な静電ポテンシャルを見積もることができるようになった.しかし, そのポスト処理コストは非常に高価であり, 計算は長時間を要する.本研究では, 新たにGPUによる処理プログラムを開発し, 量子化学計算に基づく静電ポテンシャル計算を大幅に高速化することに成功した.51残基のインスリンの場合, CPUによる計算では16時間かかったが, GPU (Tesla C870)では12分で完了した.計算時間が79倍短縮されたことになる.これはGPUのピーク性能の63%に相当する.
  • 藤井 秋彦, 若林 健一, 小野寺 賢司, 上條 俊介
    2009 年 61 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     非天然アミノ酸のタンパク質への導入などに応用されているアンバーサプレッションシステムは, アンバーコドンに対応させた, 宿主細胞と直交する外来tRNAとアミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)を, 大腸菌等に導入することによって成り立っている.しかし, このシステムと宿主翻訳系の直交性が不十分であると, 宿主のaaRSが導入したtRNAを誤って認識することでミスチャージの問題が起こる.本研究では, アンバーサプレッション用のtRNAが大腸菌宿主に認識されにくくなるような改変を行い, 二つの系の直交性を改善した.
  • 勝田 毅, 小森 喜久夫, 酒井 康行
    2009 年 61 巻 2 号 p. 116-121
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
     組織工学は, 医学・生物学・工学の知見を応用して一度損失するともとに戻らない組織・臓器を生体外で再構築することを目指す学際的な研究分野である.その基本となる方法論は, 鋳型となる足場素材に増殖能・分化能を有する細胞を接着させ, 細胞に分化・増殖を促すシグナルを与えることよって, 細胞から組織を再構築することである.その中でも, 組織再構築能に富んだ各種幹細胞・前駆細胞の分化・増殖制御は決定的ともいえる重要な技術である.本解説では, 例としてES細胞からの肝細胞分化誘導研究を紹介しながら, 「細胞へのシグナル」に焦点を当てて解説する.
研究速報
一般
研究速報
  • Michael HENRY, Yoshitaka KATO
    2009 年 61 巻 2 号 p. 147-148
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/14
    ジャーナル フリー
           Increasing awareness of environmental needs is driving changes in the way the concrete industry operates. Demand for cement and concrete products is increasing in response to economic development, and yet the industry must somehow reduce its environmental impact while meeting supply needs. Research into sustainable development in the concrete industry has, until now, been fairly limited. Some areas have potential for promoting sustainable ideas, such as the utilization of waste material from other industries as cementitious replacement products and the recycling of waste products both within and from beyond the concrete industry as filler material in new concrete construction. This paper reviews the challenges faced by the concrete industry and the research work which has been performed to meet this challenge. [This abstract is not included in the PDF]
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