セメントや石灰等の改良剤を混合しない伝統的な版築壁材料を対象とし,これを用いて作製した供試体の一軸圧縮試験を実施した.その結果,供試体の含水比が減少すると,一軸圧縮試験におけるピーク強度および変形係数E
50はともに増加した.また,供試体の含水比が比較的低い状態においては,含水比が0.2 %程度変化しただけでもピーク強度で500 kPa,E
50で200 MPa程度の変化が確認されるなど,強度変形特性は含水比の影響を受け易いことが明らかとなった.本研究で対象としたような改良剤を使用しない版築壁の強度が増加するのは,含水比の低下に伴うサクションの増大に起因すると考えられる.[本要旨はPDFには含まれない]
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