生産研究
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64 巻, 1 号
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特集1 乱流シミュレーションと流れの設計(TSFD)
巻頭言
特集に際して
研究速報
  • 半場 藤弘
    2012 年 64 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     レイノルズ平均乱流モデルとしてk-εモデルなどの2方程式型モデルがよく用いられるが, 散逸率εなどの2番目の輸送方程式は必ずしも物理的な妥当性が明らかでない.本研究では乱流の理解と乱流モデルの改良のために渦拡散率の輸送方程式を考察する.まず乱流スカラーフラックスの非局所渦拡散表現を考え, 新しい長さスケールを導入し局所的な渦拡散率の式を求める.そして長さスケールの式を元に渦拡散率の輸送方程式を導出する.チャネル乱流の直接数値計算を行い, 輸送方程式の各項を評価しその物理的意味を考察する.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 横井 喜充
    2012 年 64 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     速度と磁場のクロス相関は, 平均渦度と組合わさることで乱流起電力に寄与し, 大規模磁場の発展に影響を与える.特に平均の回転運動がある場合のダイナモ研究で重要な役割を果たすと期待されている.実際の乱流現象でどのくらいのクロス相関が存在するかを調べるには, クロス相関の生成機構と並んで, 消失機構を正しく評価する必要がある.非一様性電磁流体乱流の統計理論の結果を用いて, クロス相関の散逸率を系統的にモデル化する方法を紹介する.最低次の解析でクロス相関散逸率の代数的表現が得られ, 高次の解析によってクロス相関散逸率の発展方程式が導かれることが示される.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 小山 省司
    2012 年 64 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     温度差のある鉛直壁に挟まれた流体による自然対流をラージ・エディ・シミュレーションで調べている.本研究では, SGS熱流束ベクトルを再現するため, 従来の勾配拡散モデルではなくBardinaらによるスケール相似則モデルを導入した.その結果, Bardinaモデルによって主流方向のSGS熱流束を既存のモデルと同程度に再現することはできたが, 平均速度を再現することはできなかった.それゆえ, SGS応力テンソルも何らかの修正が必要であるという結論を得た.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 有木 健人, 半場 藤弘
    2012 年 64 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     非一様乱流に対する理論であるTwo-scale DIA(TSDIA)およびその発展型であるMean-Lagrangian Two-Scale Renormalization(MLTSR)において, 統計的非一様性効果を理論解析的に取り扱う手法を開発した.本手法をMLTSRに適用し, Reynolds応力を例として計算したところ, 非一様乱流特有の効果が理論的に導出されることが確認された.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 根本 弘一郎, 半場 藤弘
    2012 年 64 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     電磁流体乱流が磁場の生成維持に与える影響を考える際に重要になる物理量は乱流起電力である.この乱流起電力の平均場モデルとしてこれまでα項β項が考えられてきたが, 乱流の統計理論(TSDIA)の解析により平均渦度場に比例する項が新たに提案された.この項は速度ゆらぎと磁場ゆらぎの内積に関連しており重要であると考えられる.そこで本研究では一様磁場と系の回転がある場合の電磁流体熱対流の直接数値計算を実行してモデルの輸送係数に関係する乱流統計量を調べた.さらに乱流起電力の輸送方程式の数値計算結果から乱流起電力の生成項の物理的描像を考察した.[本要旨はPDFには含まれない]
  • Md. NAZRUL Islam, Daisuke KITAZAWA, Ho-Dong PARK
    2012 年 64 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     富栄養化した浅水湖では, 藍藻類が高濃度の毒素を生産するため, その監視と予測が必要である.既存の研究は, 毒素濃度の観測に関する研究がほとんどであった.本研究では, 藍藻類の毒素生産モデルを開発し, 三次元の流れ場─生態系結合数値モデルと結合した後, 数値シミュレーションを実施した.毒素の減衰, リン・窒素摂取の半飽和定数などのパラメータを調節することにより, 毒素濃度の観測値と計算値が概ね一致した.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 八木 徹, 北澤 大輔, 安部 諭, 半場 藤弘, 加藤 信介
    2012 年 64 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     本稿では, 物質拡散による汚染問題の汚染源を特定するためのリバースシミュレーションを, 海洋の問題に適用することを検討する.リバースシミュレーションは、数値流体力学における移流・拡散方程式を時間逆方向に解く方法であるが, 数値不安定性が問題となる.数値不安定性を解消するために提案されているフィルター操作を用いてリバースシミュレーションを行い, 数値不安定性の原因の一つである境界条件とフィルターの効果との関係について, 汚染物質の濃度分布の変化から検討する.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 何 佳, 李 時桓, 加藤 信介, 達 晃一
    2012 年 64 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     夏季には屋外における長時間駐車することで熱気に満ちた車内は人が入れないほどの高温状態になり, 運転席に乗り込んだドライバーの不快感が非常に大きい.また, 車内が高温状態になることで人体に有害な揮発性有機化合物(VOCs)濃度が上昇する傾向があることは報告されている.運転手の健康問題や快適性のみならず, 車を冷却するために使われる空調エネルギー量が膨大である.本論文では, トラックキャビンに適用可能な新たな二重天井換気システムを提案し, 車室内の温熱環境改善効果及び車天井面の熱貫流負荷の低減効果を明らかする.[本要旨はPDFには含まれない]
研究解説
特集2 プロダクションテクノロジー研究会
特集に際して
研究解説
  • 池内 健義, 柳本 潤
    2012 年 64 巻 1 号 p. 75-82
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     輸送機器の使用時エミッション低減には軽量化が必須であり, より比強度が高い構造材料の利用が求められている.そのひとつである高強度鋼板の高精度な成形には, ホットスタンピング技術が用いられる.現在, 関連した技術開発が盛んに行われているが, ホットスタンピングの工程設計や最適化には, 加工条件が製品特性に及ぼす影響等加工特性の高精度な評価手法が必要である.本稿では, ホットスタンピング加工特性の高精度評価手法について, 高精度圧縮材料試験機と水冷却金型を利用した実験により, ホットスタンピング加工特性を評価する手法と評価例を, 単純曲げ試験を利用した結果を利用して説明する.
研究速報
  • Kensuke TSUCHIYA, Toru NUNOKAWA, Atsunori KIKUCHI, Masayuki NAKAO
    2012 年 64 巻 1 号 p. 83-86
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
            This paper reports a multilayered micro-reactor of thin metal plates for a higher heat transfer efficiency compared with glass or silicon plates. In addition, diffusion bonding is used to bond the plates, because it is possible to bond a lot of plates in one process. We chose stainless steal SUS316 as a material of the micro-reactor. It is suitable for micro-reactors for its high corrosion resistance. We investigated bonding strength of the test pieces and optimize the parameters of bonding condition. We measured tensile strength and the Charpy value. The result indicates that the higher bonding temperature provides higher bonding strength and less voids. On the other hand, the deformation of the micro-channels should be small. We prototyped a multilayered micro-reactor at 10MPa, 1100 degree Celsius. It has totally 20 layers for reaction and coolant. We demonstrated a exothermic reaction with acid, which is nitration of benzene, using the prototype. From the experiment, it is proved that the diffusion bonding improved the heat transfer efficiency of the micro-reactor. [This abstract is not included in the PDF]
  • 帯川 利之, 舟井 一浩
    2012 年 64 巻 1 号 p. 87-90
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     本研究では, SiCウィスカ強化アルミナ工具によるニッケル基超合金Inconel 718の高速切削にエアジェット援用(AJA)切削法を適用した.その結果, セラミック工具で最も問題となる境界摩耗の発達がAJA切削により大きく抑制されることが明らかとなった.また600m/minの高速切削における寿命切削距離が通常の湿式切削より大幅に延長されること, 圧縮空気の圧力を調整することによりAJA切削における工具寿命をさらに延長できることが分かった.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 岡部 洋二, 渡辺 尚子, 嶋崎 守
    2012 年 64 巻 1 号 p. 91-94
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/08
    ジャーナル フリー
     これまで著者らは, FBGセンサを用いた構造健全性診断用の超音波伝播システムを開発してきた.本研究では, このシステムで衝撃荷重による大振幅ひずみ波を検出することを試みた.まず始めに, 出力非線形性を補正するため, 引張試験でFBGのブラッグ波長と本システムの規格化出力の関係式を求めた.次に, FBGを貼付したCFRP積層板に衝撃試験を実施し, 計測結果に先ほどの関係式を用いて逆計算を行った.その結果, 衝撃ひずみ波形を正確に再構築することができた.さらに, 多重化FBGを用いて3点で同時に, より大きな衝撃ひずみ波形を検知することに成功した.[本要旨はPDFには含まれない]
研究解説
研究速報
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