地震時の液状化の検討は,基本的にN 値を利用して行われてきた.また,液状化強度とせん断剛性率との相関が良いことは多くの研究で示されてきた.しかし,これまでの研究では,一定の相対密度で異なる構造を有する砂質土のせん断剛性率と液状化強度特性の関係をまとめた例は少ない.そこで本研究では三軸試験機を用い,同一の密度(
Dr=50%)で異なるせん断剛性率(
Gd)を有する供試体を,排水繰返し載荷履歴や再液状化試験により作成し,それらの液状化強度とせん断剛性率との関係を検討した.応力履歴回数が増加するほど動的せん断剛性率と液状化強度の値が上昇することを確認した.一方,再液状化実験結果より,元の供試体より更に低い液状化強度とせん断剛性率が得られた.本研究では,この値を単一密度供試体(
Dr=50%)の液状化強度とせん断剛性率の下限値に相当するとみなした.
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