-
坂井 康一, 和田 健太郎, 小野 晋太郎, 貝塚 勉, 杉町 敏之, 平沢 隆之, 大口 敬, 須田 義大, 中野 公彦, 大石 岳史
2018 年 70 巻 2 号 p.
57-62
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
高速道路ネットワークの整備が進む中,道路を賢く使うには,ITS 技術を活用した運用施策の実施が求められている.一方で,実施例のない施策の場合,ドライビングシミュレータ等の仮想実験環境を用いて,施策の効果・安全性等の事前評価を行う必要がある.本研究では,高速道路ネットワーク機能を最大限利用するための運用施策の事前評価のため,道路運用施策,評価すべき項目,仮想実験環境に必要な機能・性能,要素技術・理論モデルについて検討を行った.
抄録全体を表示
-
小野 晋太郎, 杉町 敏之, 貝塚 勉, 坂井 康一, 和田 健太郎, 平沢 隆之, 大口 敬, 須田 義大, 大石 岳史, 中野 公彦
2018 年 70 巻 2 号 p.
63-68
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
仮想交通実験環境は,ドライバ,自車,他車,インフラ等に係る各種の状況を再現し,施策・技術等の評価に有用である.本報告では,その再現方法や再現性について,車両運動,交通工学,視覚環境等の面から多角的・体系的に整理するとともに,特にドライバへの影響の大きい視覚環境に重点を置き,暗所や悪天候等の異常時を含めた仮想実験環境の再現性の向上手法と技術的な課題について検討した.
抄録全体を表示
-
坂井 康一, 大口 敬, 須田 義大
2018 年 70 巻 2 号 p.
69-74
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
近年,自動走行システムについては,国内外で積極的に研究開発が進められいる.筆者らは,自動走行システムの社会的・産業的インパクトなどに関する検討のために,大学の専門家を中心とした検討体制を構築するとともに,自動走行システムの進化の姿や,社会面・産業面のインパクト,及び,自動走行システムの高度化・普及展開における留意事項である,技術的課題,社会受容性,都市のデザインとの関係,ビジネスモデル,公共性,税・料金,交通マネジメント,倫理的課題,民事法の観点からの法的課題について検討した.
抄録全体を表示
-
楊 波, 安藤 孝幸, 釘宮 航, 坂本 正哉, 青木 啓二, 貝塚 勉, 中野 公彦
2018 年 70 巻 2 号 p.
75-78
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
高齢化やそれに伴う労働力不足等の社会的課題の解決手段として,自動運転技術には大きな期待が寄せられている.特に高齢化が進行する地域では,高齢者の移動手段として自動運転バスの活用への期待感が高まっている.このような背景の中,自動運転バスがよりスムーズに信号交差点を通過できるため,信号情報を活用した速度制御を行う必要がある.決定したルート上の信号の点灯サイクルを予めバス側が情報としてもっており,青信号で通過できるならスムーズに通過する.赤信号を予測する場合は早めに減速するなど,急ブレーキのない速度制御を行う.平成29 年6 月から7 月の間に,我々は石垣島で自動運転バスの実証実験を行った.本文では自動運転バスの信号交差点通過制御と実証実験について報告する.
抄録全体を表示
-
貝塚 勉, 黄 黎, 下平 真武, 稲垣 勝利, 中野 公彦
2018 年 70 巻 2 号 p.
79-82
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
手動運転中にドライバが車線変更を行うとき,死角に他車が存在することをドライバに提示する警報音の有効性を評価するため,ドライビングシミュレータ実験を行った.評価対象の警報音は,他車が死角に存在するのが右後方か左後方かという方向性まで知らせる警報音と,そのような方向性に関わる情報を含まない警報音の2 種類である.また,自動運転から手動運転へ遷移後における警報の効果も評価した.
抄録全体を表示
-
黄 黎, 貝塚 勉, 小杉 正則, 河田 充弘, 佐々木 しのぶ, 中野 公彦
2018 年 70 巻 2 号 p.
83-86
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
手動運転中にドライバが自由意志で車線変更を行うとき,死角に他車が存在することをドライバに提示する警報システムの有効性を調査するため,ドライビングシミュレータ実験を行った.警報の内容は,死角の他車が存在する方向のドアミラーにインジケータで点灯あるいは点滅の表示,ターンレバーの振動,インジケータの表示とターンレバーの振動を併用する3 種類である.また,自動運転から手動運転へ切り替わった後での手動運転中の車線変更時の有効性も検討した.
抄録全体を表示
-
平沢 隆之, 河野 賢司, 田村 大樹, 須田 義大, 坂井 康一
2018 年 70 巻 2 号 p.
87-93
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
交通ネットワークの整備とモバイルデバイスの普及を背景に,インバウンド観光時代にも柔軟対応できる交通乗り換え拠点における個人対応型交通情報案内のニーズが高まってきた.セキュリティと情報更新の性能にすぐれた電子透かし技術を用いて,案内サインやサイネージとモバイル連携する,駅から先の各種交通モードへの乗り換え案内のスマートフォンアプリを試作し,模擬駅で被験者10 名による評価実験を実施した.電子透かし入りピクトグラムにアプリをかざして,知りたい案内情報を取得させる提案手法により,わかりやすさの主観評価を向上させ情報探索時間を短縮できることを確認した.
抄録全体を表示
-
高野 照久, 小野 晋太郎, 川崎 洋, 池内 克史
2018 年 70 巻 2 号 p.
95-100
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
車載用として普及が進む魚眼・超広角カメラは,一種の分散センサとして様々な応用が期待でき,既発表のように超解像処理により一層の高精細化も可能である.しかし,車両が移動しながら又は複数車両により表示板等を観測するような場合,画角が非常に広いが故に被写体領域は多数の画像で観測されるものの,高画質に捉えた画像は少数で,多くは低解像度でブラー(ぼけ)が大きい.本研究では,これらに超解像処理を施して良い結果を得るための条件,すなわち様々な画質を含む多数の画像を与えるか,又はどのように選別して与えるかについて,入力画像のブラーの量を基準として評価・考察し,道路周辺環境を観測するための要件を検討した.
抄録全体を表示
-
坂井 康一, 大石 岳史, 小野 晋太郎, 岡本 泰英, 平沢 隆之
2018 年 70 巻 2 号 p.
101-106
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
多くの道路維持管理業務は現場状況の目視確認が基本であり,視覚情報が重要な役割を果たしている.一方で,道路付属物情報,路面性状情報,道路防災点検情報などの道路維持管理上必要な情報が多く存在するが,これらの情報と通常目視確認している現場状況と結びつけるのは容易ではない.本研究では,近年撮影が容易となった全方位映像に着目し,実際の国道を撮影し,その映像上に道路維持管理上必要となる様々な情報を埋め込むことにより,全方位映像と道路維持管理情報とを紐付けしたシステムを構築するとともに,道路維持管理業務を行う担当者へのヒアリングを通じ,システムの活用可能性を検討した.
抄録全体を表示
-
アブドッラ ムハッマド, 大口 敬
2018 年 70 巻 2 号 p.
107-111
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
信号交差点での歩行者と車両の衝突は深刻な事故に繋がる可能性があり,歩行者の安全性を考慮した多くの信号現示方式が存在する.中でも歩行者先行現示は,歩行者用信号をそれと並行する車両用信号よりも先にすることで衝突を抑制する現示方式である.本論文では,効率と安全性の両方を考慮した最適化問題を解くことにより,一般的に使用されている歩車非分離現示(CPP) に対して,歩行者先行現示(LPI) の相対的適用性評価する.効率性と安全性の指標を貨幣価値に換算し,与えられた入力の下で最適な信号パラメータと適切現示方式を同時に選択する.最適化問題は非線形目的関数と非線形制約から構成され,そのため遺伝的アルゴリズムを使用し,妥当な計算時間で最適化問題を解決することを可能とした.
抄録全体を表示
-
ディアス チャリタ, 大口 敬, ウィマラセナ カスン
2018 年 70 巻 2 号 p.
113-118
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
高速道路ネットワークの安全性や効率を評価するには自由流速度の把握が重要である.既存の研究では,高速道路水平曲線区間において一定ないし区分的に線形な速度が仮定されてきた.本研究ではジャーク最小化原理に基づいた新たな手法を提案し,高速道路水平曲線区間における連続的な速度プロファイリングをモデリングする.本研究の成果は幾何設計の一貫性を評価する以外にも,ドライビングシミュレータ・VR アプリケーションにおける現実的な車両挙動の3D 可視化や自動運転車両の軌跡の設計といった先進的な目的にも応用できる.
抄録全体を表示
-
中田 雄大, 和田 健太郎, 大口 敬
2018 年 70 巻 2 号 p.
119-123
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
本研究は,総旅行時間と車両走行の活荷重による構造物劣化の双方を考慮した動的システム最適配分問題を分析する.具体的には,(1) 維持修繕の限界費用を用いてネットワーク全体の構造物劣化の程度を評価する,(2) 構造物劣化に支配的な影響をおよぼす大型車の交通量のみを構造物劣化の評価に用いる,ことにより,総旅行時間と維持修繕費用の増分を目的関数とする多目的最適化問題を定式化する.そして,総旅行時間のみを考慮した従来の動的システム最適配分問題との比較により,構造物劣化の考慮が最適状態に与える影響を分析する.
抄録全体を表示
-
張 嘉華, 井料 美帆, ディアス チャリタ
2018 年 70 巻 2 号 p.
125-129
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
交通流基本図は歩行者交通流を評価する基本的手法であるが,ボトルネック特性の違いが基本図に及ぼす影響は十分に解明されていない.本研究では研究室実験を行い,異なる幅員や交通流率の特性をもつボトルネックの上流における交通流基本図を,単純ボロノイ図を用いて高い時空間解像度にて描画した.ボトルネックの幅員が同じで交通流率が異なる場合,密度の分布は変わらないまま速度分布が変動することが示された.また,実験を繰り返すことで,より速度や交通容量の高い交通流基本図が得られるようになることが観測された.
抄録全体を表示
-
長谷川 悠, 井料 美帆
2018 年 70 巻 2 号 p.
131-135
発行日: 2018/03/01
公開日: 2018/03/30
ジャーナル
フリー
ヴァーチャルリアリティ(VR)デバイスの発展に伴い,近年歩行者シミュレータにもVR が適用可能になった.しかし従来の歩行者モデルは見え方の現実性を追求したものではなかったため,VR に適用した際には不自然な挙動を引き起こすことがあった.そこで本研究では,歩行軌跡がより自然に見えるようなSocial Force Model をベースにした改善歩行行動モデルを提案する.本研究の成果は,VR 上の歩行者キャラクタの挙動設計に役立てられるだけではなく,歩行者モデルの評価に新しい方法を与え,歩行行動のメカニズムの理解を深める一助にもなる.
抄録全体を表示